2015 Fiscal Year Annual Research Report
中皮腫における胸腔内治療法の構築及び新規バイオマーカーの探索
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25462199
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
塩見 和 北里大学, 医学部, 講師 (50398682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雄一 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30178793)
玉内 秀一 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (60188414)
佐藤 之俊 北里大学, 医学部, 教授 (90321637)
江島 耕二 北里大学, 医学部, 准教授 (30327324)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中皮腫 / 胸腔内治療 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
中皮腫を極めて難治性の疾患から治療によって予後改善が期待できる疾患にするために、2つの問題を提起し、それぞれに対して基礎実験を行った。 胸腔内局所療法の開発実験に関しては、2系統のマウス(BALB/c、C57BL/6J)においてこれまでに作製したマウス中皮腫胸腔内及び皮下モデルの内、皮下モデルを用いて、最終的に抗癌剤(Gemcitabine)と免疫制御抗体である抗PD-1抗体及び抗CTLA4抗体との併用療法(相乗効果を利用)による腫瘍根治モデルを作製した。現在、上記と同様の併用療法で、胸腔内モデルにおける腫瘍根治モデルを作製中である。今後はこれらのモデルを用いて、種々の抗癌剤、サイトカイン、免疫細胞療法の組み合わせで最も効果的な治療方法を探索する。また同時に、免疫学的及び病理学的手法を用い、腫瘍の根治及び再発に関するメカニズムの解析を行う。 次に、難治性の組織型である二相型、肉腫型に対するバイオマーカーの探索実験では、まず、ヒト中皮腫細胞株を免疫源とするランダム免疫法を用いて、網羅的に中皮腫に対する単クローン性抗体を作製し、ハイブリドーマのヒト中皮腫細胞株と中皮腫組織を用いたスクリーニングを行った。最終的に6種類の抗体を選択し、ヒト中皮腫及び肺癌組織を免疫染色し抗体の特異性を検討した。結果、もっとも有望と思われる抗体に関して、中皮腫で高発現するも、肺癌でも細胞質の豊富な腫瘍細胞に低から中等度発現することが判明した。また、二次元電気泳動法を用いた実験では、ヒト中皮腫の二相型細胞株と上皮型細胞株で発現量の異なるタンパク質(40種類)を選択し、質量分析法を用いて20個を同定した。今後は、本結果を他のプロテオーム解析(並行して施行中のショットガンプロテオミックス法)の結果とも照らし合わせ、候補タンパク質を絞り、その有効性を検討する予定である。
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