2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸/CD44/MEK経路遮断による悪性胸膜中皮腫治療の開発
Project/Area Number |
25462201
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
黒田 鮎美 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90642570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 誠紀 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10252438)
近藤 展行 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50402889)
松本 成司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60412011)
多久和 輝尚 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00412049)
橋本 昌樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40461074)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
(a)WST-8 による薬剤抗腫瘍効果測定:悪性胸膜中皮腫細胞株でヒアルロン酸合成酵素(HAS)阻害剤、MEK阻害剤の抗腫瘍効果をWST-8 にて評価した。H211 ではHAS阻害剤の効果を認めなかったが、H28, H226, H2052, H2452 で濃度依存性の抗腫瘍効果を認め、IC50 は110-154uM であった。MEK阻害剤 については、当初Selumetinib (AZD6244) を使用していたが、より効果的なTrametinib に変更した。5種類の中皮腫はIC50 0.5-44μM であった。 (b) Western blot:Trametinib はERK のリン酸化を72時間阻害し、CD44 の発現を濃度依存性に減少させた。CD44 の発現はTrametinib によるERK のリン酸化抑制の48-72時間後に減少した。また、Trametinib によりFra-1 の発現が抑制されたことから、それがCD44 発現減少につながったと推察される。HAS阻害単剤によるCD44 の発現の変化は認められなかった。 (c)動物実験:マウスの皮下に悪性胸膜中皮腫細胞株を接種し、皮下腫瘍を形成させた動物モデルを用いて、HAS阻害剤単剤、MEK阻害剤単剤、およびHAS阻害剤 / MEK阻害剤併用での抗腫瘍効果を比較検討した。HAS阻害剤単剤、MEK阻害剤単剤投与ではそれぞれ未治療群と比較し、皮下腫瘍の増大抑制を認めた(MEK 阻害剤vs. control, P < 0.0001; HAS阻害剤vs. control, P < 0.01)。2剤併用では単剤投与群と比較し有意に皮下腫瘍の増大抑制を認めた(併用 vs. MEK阻害剤単剤 , P < 0.01; 併用 vs. HAS阻害単剤, P < 0.0001 )。皮下腫瘍の免疫染色においてリン酸化ERKは未治療群と比較し、HAS阻害剤単剤、MEK阻害剤単剤、2剤併用投与群で有意に抑制されていた。また、PD-L1 発現は未治療群と比較し、HAS阻害剤単剤で発現が増加し、2剤併用投与群においてはHAS阻害剤単剤群よりも強発現となった。
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