2013 Fiscal Year Research-status Report
シリコン血管モデルによる脳血管内治療トレーニングシステムの開発
Project/Area Number |
25462208
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
根本 繁 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20228290)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤モデル / 脳血管内治療 / トレーニングシステム |
Research Abstract |
1.総頸動脈-大動脈-腸骨動脈-大腿動脈一体モデル作成:図面を基にシリコン製血管モデルを業者に作成依頼。2.脳動脈瘤モデル作成:脳血管撮影dicomデータを3次元空間処理ソフトで読み込み、STLファイルを作成し、ABS樹脂を用いて3次元プリンターで脳動脈瘤モデルを作成。これからシリコン製血管モデル作成。3.シリコン血管モデルでの拍動流作成:頸動脈血流を想定して、毎分200mlの拍動流が得られるよう、WELCO社製水流ポンプを調整し、拍動循環装置を作成。4.アクリル樹脂製人体モデル作成:実際の血管内治療と同等の状況を得るために、アクリル製人体模型にシリコン血管モデルを組み込んだ人体血管モデルを作成。5.頭部脳血管モデル作成:頚部頸動脈モデルを作成し、近位側は人体モデルと結合し、遠位側は脳動脈瘤モデルを結合させて、総頸動脈、内頸動脈、前大脳動脈、中大脳動脈を前方循環系に配備した。 更に、鎖骨化動脈から頚部椎骨動脈モデルも作成し、後方循環系も整備し、頭部の脳血管、脳動脈瘤モデルを統合的に作成した。6.脳動脈瘤モデルの臨床応用:未破裂脳動脈瘤の血管内治療前に、3次元血管撮影画像のdicomデータから実寸大の脳動脈瘤モデルを作成し、そのモデルを基に脳動脈瘤へのカニュレーションのためのマイクロカテーテルの先端部形状を作成した。従来のテレビモニター上の画像では3次元画像を2次元で観察しており、また実寸大ではないために、カテーテル先端部の形状作成が困難であった。このモデルを作成したことにより、正確なカテーテル先端部の形状作成が可能となり、脳動脈瘤内でのカテーテル位置が安定し、コイル留置が正確に遂行可能となり、安全かつ有効な血管内治療を実施するために術前検討に必須の技術となると期待された。 以上に関し、2014年中に国内学会および国際学会での発表を予定し、論文を投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.シリコンによる総頸動脈-大動脈-腸骨動脈-大腿動脈一体モデル:作成し使用可能な状態となっている。2.脳動脈瘤モデル作成:ABS樹脂でのモデル作成は実現している。3.シリコン血管モデルでの拍動流作成:水流ポンプにより200ml/分の拍動流でシリコン血管モデルを灌流することができるようになった。4.アクリル樹脂製人体モデル作成:アクリル樹脂の人体模型にシリコン血管モデルを組み込んだ人体血管モデルが完成した。5.頭部脳血管モデル作成:人体モデルと脳動脈瘤シリコンモデルとを一体化させてモデルが完成した。6.脳動脈瘤モデルの臨床応用:未破裂脳動脈瘤の血管内治療でマイクロカテーテルの先端部形状作成に血管モデルを利用して良好な結果を得た。 2013年11月日本脳神経血管内治療学会総会において本研究の成果を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.脳動脈瘤モデルを各部位、サイズで作成し、血管内治療のシミュレーションのバリエーションを増やす。血管壁の性状をより人体血管に近い状態に改善する。 2.拍動流モデルをより人体の脳血流に近い状態に改善する。 3.脳動脈瘤だけでなく他の脳血管疾患のモデルを作成する。 4.脳血管内治療トレーニングプログラムを発展させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3Dプリンターの導入が遅れ、脳動脈瘤モデル作成開始が遅れた。動脈瘤モデル作成は初めての試みであり、研究実行に必要な機材の見通しがつかないため、当初少量の研究資材購入で開始した。 動脈瘤モデル作成が軌道にのってきたため、より多くのモデル作成に必要な機材を購入予定。
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