2015 Fiscal Year Annual Research Report
外傷性頭蓋内血腫除去時の二次性脳損傷に対する脳低温療法による脳保護効果の検討
Project/Area Number |
25462219
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
末廣 栄一 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10363110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 良介 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30263768)
小田 泰崇 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40397998)
小泉 博靖 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (40423389) [Withdrawn]
藤田 基 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50380001)
鈴木 倫保 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80196873)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 重症頭部外傷 / 脳低温療法 / フリーラジカル / 二次性脳損傷 / 積極的平温療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年4月1日から平成28年3月31日の期間に当院へ頭部単独外傷にて救急搬送され開頭血腫除去術を施行された患者は2例であった。近年、頭部外傷症例の減少傾向が顕著であり、平成27年度は特に外傷性開頭血腫除去術を行う症例が少なかった。これまで同様のプロトコールにて対応を行い、平成27年度の2症例は75歳ならびに80歳であり、共に積極的平温療法を行った。搬入時のGlasgow Coma Scale (GCS) scoreは、3と4であった。退院時のGlasgow Outcome Scale (GOS)は、Moderate disability (MD)1例、Severe disability (SD) 1例であった。全研究期間の実績と合わせると、全部で13例となる。男性9例、女性4例。年齢は54.3 ±29.0歳。GCS scoreは、8.7±2.6であった。脳低温療法群は5例、積極的平温療法群は8例である。脳低温療法群ではGood Recovery (GR)2例、MD3例である。積極的平温療法群はGR3例、MD2例、SD3例であった。両群間に、統計学的有意な所見は認められなかった。バイオマーカーの測定結果については、開頭後の虚血/再灌流障害を示すような神経特異エノラーゼ(NSE)あるいはトロンボモジュリン(TM)の術後の上昇を期待して測定した。積極的平温療法にて、術前/術後のそれぞれの値は、NSE: 31.7 / 19.7 (ng/ml), TM: 2.9 / 2.9 (FU/ml)と、術後の有意な上昇はみられなかった。以上より、本研究においては外傷性頭蓋内血腫除去時の二次性脳損傷に対する脳低温療法の臨床的脳保護効果を示すことは困難であった。また、その機序として頭蓋内血腫除去時に虚血/再灌流障害が発生すると仮説を立てたが、そのことを立証することも困難であった。
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Research Products
(7 results)