2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤の発生、破裂に関する慢性炎症の関与とその薬物療法開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
25462224
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河野 隆幸 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (50448536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉津 純一 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20145296)
宮田 敬士 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 特任准教授 (50398228)
大森 雄樹 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60599116)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動脈瘤 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終的な目標は、脳神経外科領域で重要な疾患のひとつである、くも膜下出血を予防することである。本研究の具体的な目標は、くも膜下出血の原因である、脳動脈瘤の発生、増大、破裂の分子メカニズムを明らかにすることである。 脳動脈瘤の発生、増大の機序には様々な要因が挙げられているが、現時点では明らかにされていない。しかし近年interleukin(IL)-1β、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor;TNF)-α、NF-κB などの関与が報告され、動脈瘤壁へのマクロファージの浸潤、慢性炎症反応がその一因となっていると考えられている。今回我々はその慢性炎症の鍵因子としてアンジオポエチン様タンパク質2(angiopoietin-like protein 2 ; Angptl2)に着目し研究を立案した。 血管における局所的なAngptl2の発現が血管炎症を惹起し、病態形成および進展に関与していると考えられる。そのため動脈硬化性疾患としての脳動脈瘤の発生、増大、破裂の病態に慢性炎症、特にAngptl2が関与していることが強く推測される。その関与が明らかにされれば、Angptl2が脳動脈瘤の治療標的になる可能性があると考えられる。 現在までに、ヒト脳動脈瘤のサンプルにおいて、Angptl2及びマクロファージのマーカーである、CD68の免疫染色を施行した。脳動脈瘤にはマクロファージが浸潤しており、その程度は破裂動脈瘤のサンプルの方が、未破裂脳動脈瘤のサンプルよりも強かった。浸潤したマクロファージにはAngptl2が発現していることを確認した。 WTマウス、Angptl2KOマウスを用いて脳動脈瘤モデルを作成した。驚くべきことに、両群での動脈瘤の発生率、出血率に現時点で有意差を認めていない。更なる検討を加えるべく、瘤の形態やその他の因子について現在も解析を加えている段階である。
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[Journal Article] Prolonged Mean Transit Time Detected by Dynamic Susceptibility Contrast Magnetic Resonance Imaging Predicts Cerebrovascular Reserve Impairment in Patients with Moyamoya Disease2016
Author(s)
Takayuki Kawano, Yuki Ohmori, Yasuyuki Kaku, Daisuke Muta, Ken Uekawa, Takashi Nakagawa, Toshihiro Amadatsu, Daiki Kasamo,Shinya Shiraishi,Mika Kitajima,Jun-ichi Kuratsu
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Journal Title
Cerebrovascular disease
Volume: 42
Pages: 131-138
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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