2015 Fiscal Year Annual Research Report
Ischemic Postconditioning に関する電気生理学的検討
Project/Area Number |
25462230
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中川 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20550825)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | postconditioning / パッチクランプ法 / 脳虚血 / diazoxide / 5-HD |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは神経細胞において非致死的虚血負荷を与えることによって次に続く致死的な虚血負荷に対する体制が誘導される虚血耐性現象(ischemic preconditioning)について研究を進めてきた。近年、致死的な虚血負荷の後に虚血負荷を加えることによっても神経保護効果をもたらす現象(ischemic postconditioning)が報告され、脳血管障害を発症した超急性期の病態に対しても有効な治療手段の突破口となる可能性が示唆された。今回我々はパッチクランプ法を用いてischemic postconditioningにおいて、我々が注目しているミトコンドリア局在ATPイオン性カリウムチャンネル(mitoKATP channel)の関与について電気生理学的な検討を行う。 まず平成25年度、26年度において7.5分間の虚血負荷を与えることが最適であることを確認し、7.5分間の虚血負荷の後に30秒間隔のpostconditioningを3回加えることでEPSC頻度の低下が認められ、postconditioning効果を確認した。 平成27年度ではこれらにmitoKATP channel 開口薬であるdiazoxideを投与することによってpostconditioningと同様のEPSC頻度抑制効果が認められ、さらにpostconditioningにmitoKATP channnel阻害薬の5-HDを投与することでEPSC頻度抑制効果がキャンセルされることを確認し、本現象の機序としてmitoKATP channelが関与していることを証明した。
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Research Products
(5 results)