2013 Fiscal Year Research-status Report
ブタを用いた脳動脈瘤コイル塞栓術トレーニングモデルの開発
Project/Area Number |
25462232
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
難波 克成 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10508740)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / 動物モデル / トレーニング / ブタ |
Research Abstract |
近年の低侵襲手術の需要の高まりより、血管内治療の普及が加速している。脳神経領域においてもこの傾向は避けられないものとなっている。一方で、新しい技術に習熟する機会は限られ、安全な医療を指向する社会的潮流において、トレーニングの重要性は高くなっている。 われわれはこのギャップを埋めることを目的として、ブタを用いた脳動脈瘤コイル塞栓術(脳血管内手術)のトレーニングモデルの開発に着手した。平成25年度はブタを用いた動脈瘤コイル塞栓術モデルの構築を行った。以前より行っている、シリコン製動脈瘤回路をブタ総頚動脈、外頚静脈間に接続する方法で簡便に動脈瘤モデルの構築に成功した。シリコン製動脈瘤回路とはシリコン製の血管に様々な形状をした動脈瘤を配した回路状の血管構造である。回路の一端をブタ総頚動脈に接続し、もう一端を外頚動脈に接続することで、ブタ大腿動脈よりアクセス可能な動脈瘤モデルが可能となる。従来の方法では回路をブタ血管に接続する部分で狭窄が生じ、マイクロカテーテルの通過困難を来したり、血流停滞による血栓形成が認められたりすることが課題であった。平成25年度ではこの接続法に改良を加え、血管撮影用シースを回路と血管の接続に用いることで解決した。血管撮影用シースを用いたことで接続部分が拡大し、狭窄を生じなくなった。このため、上記の問題は解決された。 脳動脈瘤モデルとしてもう一つ課題となっていた、シリコン製回路の動脈瘤形状、ブタ血管内でのカテーテル操作性感を実際の手術感覚に近似させる作業は十分な検討ができず、次年度に持ち越される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリコン動脈瘤回路をブタ頚部血管に接続する方法の改良に時間がかかり、上述のようにシリコン動脈瘤回路改良のみは研究が不足した。しかし、概ね予定通りの進展を示していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れを取っているシリコン動脈瘤回路については早急に設計、発注予定である。 シリコン動脈瘤回路を作成後は、この回路を使用した操作感を検証し、トレーニング効果を検証する作業に移行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シリコン動脈瘤回路の作成に遅滞が生じ、後の検証実験をpendingとしているため、次年度使用額が生じた。 本年度はシリコン動脈瘤回路を作成するため、検証実験の段階に進む。検証実験にはブタを使用するため、実験費は消化される見込みである。
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