2015 Fiscal Year Annual Research Report
機能的血管内皮細胞を用いた脳梗塞に対する細胞治療の評価
Project/Area Number |
25462234
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 謙介 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20400674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亮太郎 獨協医科大学, 医学部, 助教 (10552309)
高野 一成 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20364630)
兵頭 明夫 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40167606)
滝川 知司 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60450227)
清水 信行 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70636654)
田中 喜展 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90316571)
杉浦 嘉樹 獨協医科大学, 医学部, 助教 (90636648)
永石 雅也 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40364632)
丸島 愛樹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 再生医療 / 細胞治療 / ラット / 血管内皮前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
臍帯血から抽出した血管内皮前駆細胞(EPCs)の活性が、保存期間により異なるかを検証した。前回の科研費Cで明らかとした脳梗塞縮小効果の高いアルデヒドロゲナーゼ活性の低いEPC(Alde-low EPC)に分離してから培養し、24時間以内にラット一過性脳虚血モデルの投与した群と、培養後1か月冷凍保存後に投与した群を比較した。昨年度までのin vitroの実験では、保存したAlde-low EPCでも効果に期待がもてることが予想されたが、in vivoでは1か月保存したAlde-low EPCでは対象であるPBよりは効果があるものの、明らかに分離・培養してすぐに投与した群よりもすべての検証で劣った成績であった。このことは臍帯血からEPCを分離し、さらにアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の差により分離・培養して早期の使用が望ましく、臨床応用には課題が残り、培養、保存についてのさらなる研究が必要であると考える。しかしながらこの研究において、Alde-low EPCの脳梗塞縮小効果はさらに確実なものと認識された。新鮮なAlde-low EPC投与群の脳梗塞作成後1日の評価では、対照と比較して死亡率の減少と脳梗塞縮小効果は有意差をもって勝っていた。さらに新生血管の存在を示唆するFactor VIIIが脳梗塞近傍に迷入し、脳梗塞領域の血管に取り込まれていることが確認できた。また14日後の観察では梗塞巣にはEPC自体は残存しておらず、EPCの脳梗塞縮小効果は直接的な再生医療というよりも、各種サイトカインの誘導による、パラクライン効果が主たるものでいわゆる「脳保護作用」を有すると予想された。今後は臍帯血由来のみならず、さらに臨床応用に適した脂肪から培養した間葉系幹細胞の脳梗塞再生能力を確認する計画である。
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Research Products
(7 results)