2013 Fiscal Year Research-status Report
次世代脳動脈瘤クリップ開発への基礎研究 -クリップ閉塞された動脈瘤の変化-
Project/Area Number |
25462251
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
堀内 哲吉 信州大学, 医学部, 准教授 (40303466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一博 信州大学, 医学部, 教授 (00135154)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / クリップ |
Research Abstract |
脳動脈瘤の治療は、現時点では直達手術による頚部クリッピングと血管内手術によるコイル塞栓術が行われている。直達手術はバイパス併用などの進歩はあるものの、クリップ自体の大きな進歩はないのが現状である。クリッピング術は根治性が高いものの金属のクリップをインプラントするために画像検査でのアーチファクトが問題になる。よってアーチファクトのない脳動脈瘤クリップが開発されれば、クリッピング治療された脳動脈瘤患者の経過観察がMRIにて簡易的に安全に施行できる。アーチファクトのない脳動脈瘤クリップの開発には、非吸収性のものと吸収性のものが考えられる。異物が脳内に残ることを考えると吸収性のクリップが理想的なデバイスと思われる。しかし、吸収性クリップが実現するには、解明しなければならない問題がある。それは、クリップされた動脈瘤体部・頚部が時間経過とともにどのような機能・組織変化が起こるかについてほとんど知られていないことである。 画像検査にてアーチファクトのない脳動脈瘤クリップの開発を目標に基礎実験を行った。吸収性のクリップ開発に先立って以下の研究を行った。 ①以前のクリップを外さなければならい症例でクリップブレードに挟まっていた組織を解析できる機会があり、ブレードで閉鎖されていた頚部は器質化した組織であった。病理学的所見について症例報告として投稿中である。②脳動脈瘤クリップの機能特性について解析した。吸収性のクリップに必要な要素として閉鎖圧・開き幅・シザリングトルク値などを既存のチタンクリップで測定した。③脳動脈瘤モデル作成のための予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存のチタン製脳動脈瘤クリップの機能特性については、解析して論文発表・投稿を行っている。素材の候補になるものについても調査中である。吸収性クリップ作成にあたりバネ部部分の加工が困難であり今後の課題である。動物実験において安定した動脈瘤作成方法が確立できておらず、当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
動脈瘤モデルの安定した作成を目標にして組織学的研究を推進する予定である。具体的には、実験動物の変更なども考慮にいれる必要があるものと思われる。また、当初は頚部での作成を予定していたが、大腿部などでも予備実験を行い安定した動脈瘤モデルの作成を行う。新規のクリップ素材に関しても医療用材料にこだわらず、工業用の材料などにも注目していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳動脈瘤実験モデルの作成に時間を要したため、当初計画よりも研究の進行が遅れており、次年度使用額が生じた。 動脈瘤作成方法を改良し、予定通りの実験が施行できるように修正する。動脈瘤モデルの作成にあたっては、より精度の高い手術器具の購入やラットより大型動物での実験を行うことによって安定した実験モデルを作成予定である。また、吸収性動脈瘤クリップの材料候補となる素材を選定し実験に用いる予定である。
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Research Products
(1 results)