2015 Fiscal Year Research-status Report
脳腫瘍幹細胞とニッチにおけるインドールアミンジオキシゲナーゼの阻害効果
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25462260
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宮嵜 健史 島根大学, 医学部, 講師 (00346397)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | glioblastoma / IDO / stem cell |
Outline of Annual Research Achievements |
Glioblastoma(GBM)患者組織中におけるIndoleamine 2,3 dioxygenase(IDO)の発現と局在,幹細胞marker発現細胞との位置関係を免疫組織学的に検証し,(1)正常脳やびまん性星細胞腫と比較して悪性神経膠腫,特にGBMにおいてIDO陽性細胞が認められる,(2)IDO強陽性細胞の分布は腫瘍血管周囲やpseudopalisading周囲にみられる,(3)それらIDO陽性細胞の分布はNestin陽性細胞やSox2陽性細胞の分布とoverlapする,というこれまでの当実験から得られた事実をもとに,本研究期間において免疫二重染色法を用いてIDO発現細胞と幹細胞maker発現細胞の関係を評価した.その結果,(a)IDO強陽性細胞の分布はやはり腫瘍血管周囲やpseudopalisading周囲に顕著であった.(b)腫瘍栄養血管内皮細胞や腎糸球体様構造の構成細胞のほとんどがIDO(+)Sox2(-)細胞で構成される傾向があった. (c)腫瘍栄養血管周囲,pseudopalisading,腎糸球体様構造物周囲に,IDO(+)Sox2(+)細胞が集簇していた.(d)IDO(-)Sox2(+)細胞やIDO(-)Sox2(-)細胞も散見された.これらの事実は,GBM組織内においてIDOが,幹細胞性質をもつ細胞のみならず,分化細胞や,浸潤してきたリンパ球やmicrogliaにも発現して複雑な作用をもたらしている可能性を示唆するものと考えられる.今後この結果をもとに,microglia makerやリンパ球maker,とIDOとの共発現について評価をすすめる予定である.そしてさらに複数のGBM幹細胞でのこれらの性質の普遍性の確認を行い,in vivoでのGBM幹細胞腫瘍モデル作成,IDO阻害効果判定へと進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
蛍光二重染色による条件設定までに時間を要したこと,脳腫瘍幹細胞株の樹立成功率が低いこと,絶対的な研究時間を設けることが難しかったこと,などが複合的に実験計画の遅延をもたらしていると考えます.
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者の確保により実験計画の確実な遂行を目指す.
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Causes of Carryover |
実験遂行時間の不足と脳腫瘍幹細胞株樹立の遅延により実験全体の遅れが生じている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験時間の短縮のための使用試薬キットの購入,研究協力者の獲得,脳腫瘍初代培養方法の改善,などのために使用していく予定である.
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Research Products
(2 results)