2015 Fiscal Year Research-status Report
悪性脳腫瘍に対するDDS製剤を用いた個別化治療に向けての基礎的検討
Project/Area Number |
25462274
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
黒田 順一郎 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (90536731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉津 純一 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (20145296) [Withdrawn]
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30359963)
秀 拓一郎 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (40421820)
篠島 直樹 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (50648269)
矢野 茂敏 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (60332871)
牧野 敬史 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90381011)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DDS / 血管透過性 / tissue factor / 悪性グリオーマ / モノクローナル抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では悪性脳腫瘍に対するDDS製剤を用いた個別化治療に向けての基礎的検討を行った。研究対象として化学療法の適応となる悪性グリオーマ(星細胞系腫瘍、乏突起膠細胞系腫瘍)を選択した。DDS製剤は高分子製剤であり、薬剤の病巣への到達には血管透過性亢進、正常血管構築の破綻が重要である。よって、評価項目として我々は悪性グリオーマ組織内の腫瘍内出血、フィブリン沈着が血管透過性亢進、血管破綻に続発した変化であることに着目して、悪性グリオーマ細胞におけるtissue factor(以下TF)の発現を免疫組織学的に検討した。グレード別の検討では88症例のWHO分類でgrade1-4のグリオーマ臨床検体に対してラボで作製精製した抗TFモノクローナル抗体にて免疫染色を施行し、50パーセント以上の細胞が陽性となる++と+++の症例はgrade1,2を合わせたものでは27%であったのに対して、grade3では73%、grade4で75%であった。このことから抗TF抗体がコンパニオン診断用の分子イメージング用プローブおよびDDS製剤にポジティブターゲット用抗体として有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病理組織学検討の後にin vivoでの研究を計画した。既存の腫瘍細胞株のTF発現を検討し、U87細胞株同所移植系で蛍光ラベルした抗TF抗体のin vivoイメージングを行った。臨床検体から樹立した細胞株についてはヌードマウス内での腫瘍形成能が低く検討が施行できていない。腫瘍形成のためSCIDマウスの使用や、マトリックス試薬を使用した検討が必要と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は今後も推進していく予定である。in vivoイメージングでは共同研究施設においてSPECT核種を用いた評価も確立し、また、質量顕微鏡を用いた薬剤分布の評価についも進捗しており、今後DDS製剤の臨床応用へ向けての検討が発展する可能性がある。
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Causes of Carryover |
本研究の施行に関して遅延したために追加実験を行う必要がある。その経費を要する可能性があることおよび研究成果の発表に要する費用は必要であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験に要する経費および研究成果の論文発表、学会発表に使用する。
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Research Products
(3 results)