2015 Fiscal Year Research-status Report
悪性神経膠腫に対するDNA修復機構阻害による抗癌剤増感治療法の開発
Project/Area Number |
25462277
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永根 基雄 杏林大学, 医学部, 教授 (60327468)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膠芽腫 / PARP阻害剤 / temozolomide / 薬剤耐性 / MGMT / ABT888 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、当該研究課題の実質的な実験遂行を担当している研究協力者が、出産後子の養育による実験遂行不能時期が発生し、さらにその後再度妊娠による体調不良をきたしたため、長期間にわたり十分な実験が展開できない状況にあった。そのため、当該年度に予定していた動物実験が一部しか実施できなかった。期間延長により、平成28年度中に動物実験を加え、成果の上乗せを図ることで学会発表、論文作成を期す方針としたい。 実施できた研究成果は以下の通りである。①既にこれまでの研究で明らかとなった悪性神経膠腫細胞に対するPARP阻害剤であるABT888単独での治療効果、及び膠芽腫の標準治療薬であるテモゾロミド(TMZ)との併用療法での相乗的殺細胞効果と対比して、正常脳細胞である正常ヒト星細胞(NHA)におけるこれら治療の影響を毒性の観点から解析した。その結果、腫瘍細胞と異なり、NHAに対してはABT888単剤ならびにABT888/TMZ併用療法は影響が乏しく、大幅に高濃度で投与しなければ増殖抑制は得られなかった。従って、本治療法は脳への毒性は低い可能性が示唆された。②MGMTメチル化膠芽腫細胞株U87を用いてマウス腫瘍モデルを作成し、ABT888及びTMZによる単剤・併用療法の抗腫瘍効果を検討した。MGMTメチル化の影響によるTMZの治療効果は認められたが、ABT888との併用療法効果は乏しく、用いた治療スケジュールでは有意な結果な結果は得られなかった。③TMZ耐性ヒト膠芽腫細胞株U251TMZR株を用いたin vitro実験を行った。TMZに対して高度な耐性が維持されていることが確認された。今後この細胞を含め、in vivoでのABT888による治療効果の検証を次年度に推進する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、当該研究課題の実質的な実験遂行を担当している研究協力者が、出産後子の養育による実験遂行不能時期が発生し、さらにその後再度妊娠による体調不良をきたしたため、長期間にわたり十分な実験が展開できない状況にあった。そのため、当該年度に予定していた動物実験が一部しか実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記理由により、平成27年度の実質的研究実施が遅滞したが、平成28年度は研究協力者の復帰に伴い、研究期間の延長により、これまで実施が不十分であった動物実験を加え、成果の上乗せを図ることで学会発表、論文作成を期す方針としたい。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、当該研究課題の実質的な実験遂行を担当している研究協力者が、出産後子の養育による実験遂行不能時期が発生し、さらにその後再度妊娠による体調不良をきたしたため、長期間にわたり十分な実験が展開できない状況にあった。そのため、当該年度に予定していた動物実験が一部しか実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間の延長により、これまで実施が不十分であった動物実験を中心に研究を遂行し、成果の上乗せを図る。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] The EGF receptor promotes the malignant potential of glioma by regulating amino acid transport system xc(-)2016
Author(s)
Tsuchihashi K, Okazaki S, Ohmura M, Ishikawa M, Sampetrean O, Onishi N, Wakimoto H, Yoshikawa M, Seishima R, Iwasaki Y, Morikawa T, Abe S, Takao A, Shimizu M, Masuko T, Nagane M, Furnari FB, Akiyama T, Suematsu M, Baba E, Akashi K, Saya H, and Nagano O
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Journal Title
Cancer Res
Volume: 76
Pages: 2954-2963
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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