2016 Fiscal Year Annual Research Report
Animal model of adolescent idiopathic scoliosis
Project/Area Number |
25462296
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土井 俊郎 九州大学, 大学病院, 准教授 (60346799)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 側弯症 / モデル動物 / 後弯症 / 胸郭変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期特発性側弯症の原因が解明されることが、適切な治療法の確立に必須である。そこで、側弯のモデルを作成することを主体として研究を進めた。まず我々は、思春期における健常人のわずかな体幹変形が、思春期特発性側弯症と同様の特徴を有することを確認し、発症初期モデルとなることを確認した。とくに、胸郭前後径が小さい場合、胸椎カーブがより強くなる傾向を見出した。さらに、この知見を動物モデル作成に応用し成果を得た。すなわち、マウスに胸郭前後系を小さくする装具装着を行うことで側弯発症モデルを作成することに成功した。さらに最終年度には、モデルマウスにおいて肋骨切除した場合は装具装着にても側弯発症が抑制されることを確認し、肋骨を介して椎体の変形が生じることを明らかにした。 以上より、思春期特発性側弯症は胸郭の前後系が小さい場合に肋骨を介する力で増悪することが明らかとなったた。この知見を応用することにより、側弯症が明らかに増悪する症例においては初期に肋骨切除を部分的に行うことにより将来的な侵襲の大きな手術を回避できる可能性があると考えた。今後は大型動物を用いた検証を行うことにより、ヒトへの治療応用を行える可能性があると考える。 さらに、脊柱後弯変形評価の臨床応用できる新たな指標を提唱することができたことも、本研究を通じてもたらされた成果と考える。
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