2015 Fiscal Year Annual Research Report
急性脊髄損傷におけるStem Cell Factorの神経組織保護作用機序
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25462297
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
米 和徳 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40182844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊間 春利 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10325780)
松田 史代 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70437953)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / stem cell factor / 一次損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞増殖因子であるStem Cell Factor (SCF)の急性脊髄損傷初期における神経保護作用の機序を明らかにすることにより、SCF単独あるいは神経幹細胞移植との併用による障害脊髄の治療の安全性を確立し、臨床応用への道筋を明らかにすることである。 今回の研究では、急性脊髄損傷におけるSCFの神経保護作用(アポトーシス抑制)の機序を明らかにする目的で、特に、抗アポトーシス遺伝子であるBcl-2に着目した。脊髄損傷後にSCFを投与し、Bcl-2の発現量の変化を計測するとともに、Bcl-2阻害剤がSCFの神経保護作用に及ぼす影響を観察することにから、SCFのアポトーシス抑制機序にBcl-2がどのように関与するか検証した。 ラットの胸髄部に重錘を用いて損傷を加え、急性脊髄損傷モデルを作成する。脊髄損傷ラットを3群に分け、損傷後にSCFを投与したSCF群、何ら処置を加えなかった対照群、SCFとBcl-2阻害剤を投与したBcl-2阻害群について、組織学的観察、免疫組織学的観察(抗活性型caspase-3染色、抗Bcl-2染色)、2重染色(抗神経細胞染色、抗アストロサイト染色、抗オリゴデンドロサイト染色と抗活性型caspase-3染色、抗Bcl-2染色)を行った。また、タンパクを抽出しウエスタンブロッティングも行った。 Bcl-2阻害剤を投与したラットは、投与後24時間以内に死亡した。SCF投与群は、コントロール群と比較し損傷範囲が小さく、Nissle染色で定量した結果、損傷上10mmでは灰白質での前角細胞数が多かった。また、タンパク定量の結果、SCF投与群は、Bcl-2やNeuN、HIF1-aの発現がコントロール群と比較し多く、cleaved caspase3の発現量は少なかった。
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