2013 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞移植による末梢神経再生の促進メカニズムと安全性(マウス/イヌモデル)
Project/Area Number |
25462300
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
上村 卓也 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 病院講師 (10597321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 聖仁 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30295688)
岡田 充弘 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40309571)
中村 博亮 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60227931)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 人工神経 / 末梢神経 / 再生医療 / ニューロスフェア |
Research Abstract |
本研究目的は、人工多能性幹細胞(Induced pluripotent stem cell, 以下iPS 細胞)の移植再生医療を末梢神経再生に応用し、自家神経移植の代替となるiPS 細胞ハイブリッド型人工神経の長期成績とその安全性及び末梢神経再生の促進メカニズムを解明することである。 平成25年度はiPS 細胞移植による末梢神経再生の促進メカニズムについて解明するために、実験モデルを作製した。GFP遺伝子を導入したマウスiPS細胞をニューロスフェアへと神経分化誘導し、これを人工神経に生着させてiPS細胞ハイブリッド型人工神経を作製した。完成したiPS細胞ハイブリッド型人工神経を用いて、マウスの坐骨神経欠損の移植再建を行った。移植後2, 4, 8, 12週で移植した人工神経を採取し、組織学的評価を行った。 まず移植前の人工神経に生着したiPS細胞由来のニューロスフェアの組織学的評価を試みた。抗GFP抗体陽性のiPS細胞がどのような細胞へ分化しているのか同定するため、抗Tuj1抗体(未熟神経細胞マーカー)や抗s-100抗体(シュワン細胞マーカー)を用いた多重免疫染色を行い、現在確認中である。 またiPS細胞を用いた人工神経の安全性を確認するために、マウス坐骨神経欠損部にiPS細胞ハイブリッド型人工神経で移植再建を行い、長期間経過観察モデルを作製した。移植後24, 48週で移植した人工神経を採取し、奇形腫等の腫瘍性病変の有無および再生軸索の状態について現在、組織学的に評価・検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究計画のとおり、平成25年度は、1)移植iPS細胞による末梢神経の再生メカニズムの解明、2)iPS細胞ハイブリッド型人工神経の長期成績・安全性に関する2つの実験モデルを作製することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に作製したモデルから採取した人工神経の組織標本を用いて、末梢神経の再生メカニズムについて検討する(抗GFP抗体の免疫染色を行い、移植iPS細胞の分化・増殖を追跡する)。また移植後長期モデルの人工神経の組織票本を用いて、再生軸索および奇形腫に関して組織学的に検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、移植したiPS細胞が人工神経内でどのような細胞へ分化・増殖しているのか抗GFP抗体を含めた多重免疫染色で検証したが、抗GFP抗体の免疫染色に難渋しており、分化細胞の同定までには至っていない。そのため本年度に予定していたiPS細胞培養および分化誘導にかかる費用が見積もりよりも少なくなったため。 次年度以降、移植細胞の分化・増殖の同定に関する実験計画を遂行するために、iPS細胞細胞培養および分化誘導、各種免疫染色(抗体代含む)にかかる費用として使用する予定である。
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