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2013 Fiscal Year Research-status Report

線溶活性の修飾による新規脊髄損傷治療の開発

Research Project

Project/Area Number 25462307
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

木村 敦  自治医科大学, 医学部, 講師 (20364507)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大森 司  自治医科大学, 医学部, 講師 (70382843)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords脊髄損傷 / 線溶系 / プラスミノーゲン
Research Abstract

脊髄損傷後の機能回復における線溶系の作用を明らかにする目的で、まずプラスミノーゲンノックアウトマウス(Plg KO)と野生型マウス(WT)において定量的な脊髄圧挫損傷モデルを作成した。両群の機能回復を後肢の運動機能スコア(BMS score)とロータロッドテストによって比較した。その結果、Plg KOはWTに比較して損傷後3日目の運動機能が有意に優れていたが、損傷後1週目にはWTとの差が縮小し、2週目以降は有意差がなくなった。このことからプラスミノーゲンは損傷後3日以内の急性期には抑制的に作用し、それ以降の時期は神経再生を促進する可能性が示唆された。
そこで脊髄損傷急性期のプラスミノーゲンの作用を明らかにするために、損傷後1日目の脊髄における血管透過性、出血量、炎症細胞浸潤について検討を行った。血管透過性については頚静脈より静脈注射したルシフェラーゼの漏出を定量化することで測定し、Plg KOではWTに比較して血管透過性が有意に抑制されていることが明らかとなった。出血量は脊髄中のヘモグロビン量をルミノメーターで計測し、Plg KOでは出血量もWTに比較して有意に少なかった。炎症細胞の浸潤はGr-1を好中球の指標として、CD11bをマイクログリアの指標としてフローサイトメトリーで計測した。その結果、Plg KOでは好中球とマイクログリアの浸潤が少ない傾向にあったが、両群間に有意差はなかった。以上の結果から、脊髄損傷急性期のプラスミノーゲンは血管透過性を亢進させるとともに、出血量を増加させて二次損傷を増加させている可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

線溶系ノックアウトマウスの脊髄損傷後の機能回復を野生型マウスと比較し、その特徴とメカニズムの一端を明らかにできたため、現時点での達成度としてはおおむね順調と考えられる。

Strategy for Future Research Activity

これまでの結果から、プラスミノーゲンの脊髄損傷後の機能回復に対する作用は受傷後の時期によって異なり、急性期には抑制的に作用し、それ以降は促進的に作用する可能性が示唆された。今後は亜急性期以降の回復促進の機構を明らかにするとともに、線溶系の阻害剤を至適時期に投与することが機能回復の促進につながるかについて検討したい。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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