2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性多発外骨腫症モデルマウスを用いた骨軟骨腫発生に関するヘパラン硫酸の機能解析
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25462326
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伊藤 芳毅 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10313884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40422711)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多発性外骨腫症 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性外骨腫症(MHE)は,骨幹端部の多発骨軟骨腫を特徴とする遺伝性疾患で,EXT1・2が主原因遺伝子である.本研究の目的は,Prx1CreERT; Ext1flox/floxマウス(Creマウス)を用い骨軟骨腫発生機構について検討する事である.本研究では,MHEで骨軟骨腫が好発する成長軟骨板周囲の軟骨膜組織に注目した.同部位でのExt1の機能を解析するため,Prx1CreERT transgeneに注目した.Prx1CreERT;Rosa26 reporterーマウスを作成、生後1・2日にtamoxifenを腹腔内注射し,LacZ染色を行った.次にCreマウスに対し,生後1・2日にtamoxifenを注射した後,四肢関節形態をSafranin O/Fastgreen染色,X-ray撮影で検討した.更にSox9,β cateninの免疫組織染色を用いて,軟骨膜での同蛋白発現について確認した.In vitroで,マウス間葉系細胞のC3H10T1/2に対し,Ext1発現を抑制後,β cateninの発現をqPCRとIFにて確認後,骨分化についてAlp活性を測定した.結果として、mLacZ染色で,Prx1CreERT transgeneが成長軟骨板周囲軟骨膜に発現している事を確認した.Creマウスは,生後3週で四肢に骨軟骨腫を形成した.同マウスは骨軟骨腫形成前に,軟骨膜でβ cateninの発現が低下し,同部位に異所性軟骨細胞が出現していた.C3H10T1/2はExt1発現を抑制する事で,β cateninの発現が低下し,骨分化が抑制された.今回, 我々は,Creマウスを用い,出生後に成長軟骨板周囲の軟骨膜からExt1を欠損させる事で,骨軟骨腫形成が誘導された.同所見は,MHEでの骨軟骨腫形成において,軟骨膜組織が重要である事を示唆する.
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