2013 Fiscal Year Research-status Report
光感受性物質アクリジンオレンジによる放射線治療効果増幅法の研究
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25462328
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松原 孝夫 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30422827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松峯 昭彦 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00335118)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線力学的療法 / アクリジンオレンジ / 光線力学的療法 / 放射線耐性 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
I:人骨肉腫・肺癌・乳癌細胞株に対し、in vitroで腫瘍細胞外環境(酸性・低酸素・高静水圧)下のアクリジン(AO)の腫瘍細胞内への取り込み変化と、放射線治療効果の検証。 骨肉腫、胃癌、肺癌細胞株を、各複合環境下で培養。AOの集積は全細胞株で、低酸素および酸性複合環境で、約1.5-2倍の集積増加をFacs-sacnで確認した。 酸性・低酸素下でAOの集積は増加したがin vitroの放射線耐性試験では、AO集積により、低酸素酸性環境下でも、高い放射線感受性を示したため、非放射線耐性株では、いかなる環境変化でも効率にAO-RDTが有効であった。放射線耐性株については、放射線照射を継続し培養を行ったが、放射線耐性株の樹立は困難であったため、放射線耐性獲得を有するといわれる低酸素下で継続培養を行い、放射線ないし薬剤耐性株の樹立を試みている。 II:各種細胞株で放射線耐性株を樹立し、耐性株でのAO-RDT効果を検討。 放射線耐性株樹立がIにおいて困難なため、低酸素耐性株を作成し放射線および薬剤耐性株を樹立する目標とした。 III:耐性株とオリジナル細胞株をマクロアレイすることにより、放射線耐性に関与する遺伝子を解析する計画。 耐性株樹立が難航しているため、先に骨肉腫細胞株を各複合環境下で培養し、各環境下での遺伝子発現をマクロアレイにて解析した。解析の結果、低酸素環境では、1.5倍以上の遺伝子発現の増幅が113遺伝子、酸性環境刺激では386遺伝子の増幅が認められた。高静水圧では、増幅される遺伝子の比率は最大2.1倍と低値であったが、1.5倍以上の発現遺伝子は640遺伝子認められた。低酸素、酸性の複合環境下では、単独環境に比べより多くの592遺伝子の発現増幅が認められた。また、CAIX、ALDOCをはじめとするターゲットとした遺伝子発現は10倍以上と高発現であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
II:各種細胞株で放射線耐性株を樹立し、耐性株でのAO-RDT効果を検討において、非放射線耐性株では、いかなる環境変化でも効率にAO-RDTが有効であったが、放射線耐性株については、放射線照射を継続し培養を行ったが、放射線耐性株の樹立は困難であったため、やや遅れていると自己評価する。しかし、放射線耐性獲得を有するといわれる低酸素下で継続培養を行い、放射線ないし薬剤耐性株の樹立を試みており、順調に継代しているため、耐性株が樹立できれば、十分予定計画を進行できると予想する。
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Strategy for Future Research Activity |
放射線照射を継続し培養を行ったが、放射線耐性株の樹立は困難であったため、放射線耐性獲得を有するといわれる低酸素下で継続培養を行い、放射線ないし薬剤耐性株の樹立を試みる。次年度は、作成した耐性株およびオリジナル細胞株を、マウスに移植し、従来の放射線治療とAO投与後放射線治療を行い、AOによる放射線治療増強効果をin vivoで検証するとともに、マイクロアレイで得られた耐性に関与する遺伝子およびタンパク(X)抗体による放射線および薬剤治療効果をin vitroおよびin vivoで検証する。
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Research Products
(7 results)