2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤SAHAのオートファジー細胞死誘導機構の解析
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25462338
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 貴充 九州大学, 大学病院, 助教 (70525550)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HDACI / autophagic cell death / SAHA / multi-drug resistance / cell cycle |
Research Abstract |
(A)SAHA によるG2/M 期誘導メカニズムの解析 SAHA を様々な濃度でMNNG/ADR 細胞株に投与し24 時間培養したのち、細胞を回収し、抗ATR 抗体、抗Chk1 リン酸/非リン酸化抗体 、抗Cdc25A リン酸/非リン酸化抗体、抗Cdc2 リン酸/非リン酸化抗体を用いてWestern-blotting を施行した。この際SAHA による作用である確認のために、acetylated histone H3 抗体キットを用いてヒストンのアセチル化も定量したところ、ヒストンは濃度依存性にアセチル化されたが上記タンパクの発現の増加は認められなかった。 (B)細胞周期G2/M 期とautophagy 発生の関係の調査 先行研究においてG2/M 期のpopulation が上昇してくる時間はSAHA 投与後12 時間後、autophagy 誘導タンパクLC3-2 の誘導が上昇し出す時間が8 時間後であることが分かっている。そこで、SAHA 投与後からの時間を2 時間おきに細胞周期解析用と抗LC3-2 抗体を用いたWestern blotting 用に細胞を回収する。細胞周期G2/M 導入時期・LC3-2 発現量増加時期の詳細に観察したところSAHA投与後G2/M期のpopulationが増加し出すのは10時間後っからであることが判明した。しかしLC3-2の発現増加は8時間後であったり10時間後であったりと時間にばらつきが見られた。 (C)多剤耐性骨肉腫細胞動物デルの作製 1st step:多剤耐性骨肉腫細胞株Saoa2/ADR の獲得。2nd step:獲得したSaos2/ADR のマウスへの生着。以上を計画したがdoxorubicinの濃度が50ng/mlの段階で細胞が全て死滅してしまった。5度ほど同様の実験を繰り返したが同様の結果となるため再度細胞の種類を変更して行う必要性を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験系は樹立できており、結果を詳細に詰める段階までは到達しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
western blotでタンパクの発現は確認できており、詳細な発現時間を詰める段階に来ている。多剤耐性細胞株の樹立に関しては細胞腫の変更が必要となるかもしれないが、樹立する系は確立されており(Okada et al 2006)同時並行で様々な細胞株での樹立を試みる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞樹立が思うように進んでいないため、細胞培養液、培地購入用に繰り越した。 またデータがそろっておらず発表学会用の旅費を次年度に繰り越した。 多剤耐性細胞株の樹立用の費用 旅費・論文投稿費用:発表学会・論文投稿費用などが次年度に生じるため。
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