2015 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント感染における新しい術中迅速メチシリン耐性ブドウ球菌感染診断法の開発
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25462346
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小林 直実 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (20453045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 裕 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (40336574)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人工関節周囲感染 / 診断 / PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
人工関節周囲感染(PJI)に関する研究は近年活発に行われるようになり、特にその診断については様々な新しい手法が取り入れられてきている。血液検査によるスクリーニング、細菌培養検査、各種関節液検査、さらには病理組織検査が診断の基本となるが、炎症反応が乏しく、抗菌薬投与などにより細菌培養が陰性となるPJIも少なからず存在する。治療方針決定の上で重要な情報として、菌種、耐性菌の有無、有効な抗菌薬の種類、感染巣の部位などが挙げられるが、単一の検査では十分な情報が得られないことが多い。 われわれがPJI診断法の一つとしてこれまでに臨床応用してきたリアルタイムPCR法の最大の特徴はまずメチシリン耐性菌(MRS)を検出すること、グラム陽性菌、陰性菌の判別が可能であることである。これらの情報は治療方針を決定する際において極めて重要であり、特に細菌培養陰性例では起炎菌を推定する唯一の情報となる場合もある。また、PCR反応開始から約50分で結果を判定できるという迅速性は大きな利点である。現在用いているシステムではmultiplex primerを用いてランニングコストの低下を実現している。死菌の検出による偽陽性は診断を困難にする問題の一つであるが、一方で抗菌薬投与下でも起炎菌を検出する可能性があり利点とも考えられる。 全152検体に対する感度および特異度はメチシリン耐性菌(MRS)特異的PCRで91%および98%であった。またグラム陽性および陰性菌の判別一致率は96%であった。 今後の課題としては、より効率が高く迅速性に優れたDNA回収法を確立しさらなる感度の改善を追求することが第一に挙げられる。より詳細な菌種の同定、薬剤感受性の判定も今後の分子生物学的診断に求められる重要な要素である。さらに、より一般的な普及に向けて、手技の簡便化、再現性の高いプロトコールの作成が必要である。
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Research Products
(4 results)