2013 Fiscal Year Research-status Report
骨細胞レニン・アンジオテンシン系をターゲットとした新規骨粗鬆症治療薬の開発
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25462360
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 定雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (20202426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 義則 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50345279)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨細胞 / レニン・アンジオテンシン系 |
Research Abstract |
本研究では骨細胞におけるRASに着目し、分子生物学、細胞生物学、組織学的な実験手法を駆使して、骨細胞RASの生理的機能とそのシグナル伝達分子を解明し、骨細胞を標的とした新たな骨粗鬆症治療法の開発を目的とし以下の実験を実施した。 1.骨細胞特異的レニン・アンジオテンシン関連遺伝子欠損マウスの解析 骨細胞特異的遺伝子欠損マウスの作成にはDmp1 Creマウスを用いてコンディショナルノックアウトマウスを作成した。組織学的解析により、本マウスは骨量の顕著な増加が認められた。また、マウス大腿骨から抽出したRNAを用いてRealtime PCR法を用いて、骨形成ならびに骨吸収マーカーの発現を野生型マウスと比較検討した。その結果これらのマーカーには両群間で差は認められなかったが、これは、骨全体からRNAを抽出した結果であると考えられたため、現在骨細胞を単離し、骨細胞から回収したRNAで検討中である。 2.骨細胞GFP標識コンディショナルノックアウトマウスの作成 1.で作成したコンディショナルノックアウトとEGFPレポーターマウスとを交配し、骨細胞を特異的に標識したマウスを作出した。本マウスを用いて、骨細胞を単離し、単離された骨細胞からRNAを抽出しマイクロアレイ解析を実施する予定である。 3.骨細胞細胞株における標的遺伝子の機能解析 骨細胞細胞株において標的遺伝子をノックダウンし、骨細胞分化に及ぼす影響を検討した。骨細胞の分化過程において標的遺伝子の発現は軽度に減少する傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨細胞特異的にGFPで標識したコンディショナルノックアウトマウスの作出ならびに、その後のマイクロアレイ解析で用いる十分量の骨細胞RNAを準備するのに時間を要したことが主な原因である。現在は十分量の細胞数を確保でき、RNAを抽出しマイクロアレイ解析を進行中である。その他の実験に関しては、当初の計画通り進行していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究を継続するとともに、以下の実験を実施する。 1.骨細胞特異的レニン・アンジオテンシン関連遺伝子欠損マウスの骨組織解析 マイクロCTおよび骨形態計測を用いて骨の表現型を詳細に検討する。 2.骨細胞における標的遺伝子下流因子の同定と機能解析 コンディショナルノックアウトマウスおよび野生型マウスからそれぞれ骨細胞を単離しマイクロアレイ解析を行い、標的遺伝子の同定を行う。 3.標的遺伝子の骨代謝対する機能解析 2.で同定された下流因子の骨細胞における機能を解析するために、当該遺伝子を過剰発現およびノックダウンして骨細胞分化に及ぼす影響を検討する。また、組み換えタンパク質あるいは抗体を作成し、in vivoにおける効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
効率的に消耗品を使用することができたことにより、物品費を少なく抑えられることができたため。一方で、当初平成25年度に外部に依頼する予定にしていたマイクロアレイ解析が、解析に用いるだけのRNA量を確保するのに時間を要したため実施することができなかったため。 次年度では、マイクロアレイ解析を行い、標的遺伝子の同定を行う計画をしており、本解析実施のために費用を使用する。また、in vivoでの実験を主に計画しているためマウス維持や管理を充実させるために使用する予定である。
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