2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト運動器細胞三次元組織の力学刺激応答におけるシグナルカスケード
Project/Area Number |
25462370
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米谷 泰一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80642090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 研 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00283747)
前 達雄 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10569734)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 力学刺激 / 滑膜細胞 / 三次元培養組織 / シグナルカズケード / IL6 / PGE2 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎関節や膝関節における関節症の変化には、力学負荷が大きく関わっている。そこで、ヒト滑膜由来細胞を用いた三次元培養組織にコンピューター制御下での圧縮力学負荷を与えることにより、ヒト滑膜炎モデルを作製した。炎症反応の中心的役割を持つIL6,PGE2が培養上清中で上昇することに加え、IL1受容体抗体添加によるPGE2産生の部分的抑制を報告してきたが、その関係性などは明らかになっていない。そのため、滑膜由来細胞への繰り返し力学負荷刺激におけるPGE2発現とIL6,IL1との関係を検討することを目的に実験を行った。力学刺激を加え、IL1/IL6各々の抗受容体抗体添加による作用ブロックを検討したとこと、PGE2産生は部分的に抑制された。このことから、IL1,IL6ともに、PGE2産生の上流にあることが示唆された。しかし、抗IL6受容体抗体の濃度は臨床濃度よりはるかに高い濃度が必要であった。一方、力学刺激を加えず、IL6刺激のみではPGE2は産生されず、IL6受容体を臨床と同程度の濃度での添加によりPGE2の産生増加を得ることができ、IL1刺激と同程度の反応であった。以上の結果から、力学刺激による炎症反応の中心的役割を持つPGE2の上昇には、力学刺激により上清中へ生成されたIL6とIL1が関与し、かつ、IL6受容体は、通常状態では作用する傾向にないが、力学刺激により作用し始め、さらに別の機構が作用している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)