2015 Fiscal Year Annual Research Report
機械的ストレスの軟骨変性誘導における小胞体ストレスの発生と病態生理に関する研究
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25462374
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
廣瀬 隼 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (40433007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 博志 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (60174025)
岡元 信和 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (70600162)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 軟骨変性 / 小胞体ストレス / 酸化ストレス / カルボニルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】ラットの変形性膝関節症(OA)モデルにおいて、酸化ストレス、カルボニルストレスおよび小胞体ストレスに対するそれぞれの阻害効果を検討した。 【方法】5週齢雄Wistar ratの右膝前十字靭帯を切離して不安定性誘導によるOAモデルを作成した。1週後より、酸化ストレス阻害剤としてN-acetylcysteine(NAC,100mM)、カルボニルストレス阻害剤としてAminoguanidine(AMG,100mM)、小胞体ストレス阻害剤として4-phenylbutyric acid(PBA,10mM)をそれぞれ週2回、3週間(合計7回)関節内に注入した。PBS(200μl)を投与した対照群と前十字靱帯を切離しないSham群を別に準備した。投与終了後4週(術後8週)時に膝関節を摘出し、PFA固定、脱灰後にパラフィン標本を作製し、薄切切片を作成した。酸化ストレス、カルボニルストレス、小胞体ストレスを、それぞれ抗8-OHdG抗体、抗DNPH抗体、抗p-eIF2α抗体を用いた免疫染色により評価した。また軟骨変性度をサフラニンO染色、アポトーシスをTUNEL染色によりそれぞれ評価した。 【結果】NAC投与群では抗8-OHdG抗体染色で、AMG投与群では抗DNPH抗体染色で、PBA投与群では抗p-eIF2α抗体染色において、それぞれの染色性が抑制された。これらの3群はSham群に比べて軟骨変性は有意に進行したが、対照群と比較するといずれも有意に低い変性度を示した。一方アポトーシスは3つのストレス阻害剤投与群と対照群の間で有意な差はなかった。 【考察】膝関節不安定性により生じるOAにおいて、酸化ストレス、カルボニルストレス、小胞体ストレスは発生し、それぞれの阻害剤が対応するストレスを抑制して軟骨変性を軽減させることが確認された。その機序のひとつとしてアポトーシスを調査したが、明らかな関連性はみられなかった。
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Research Products
(2 results)