2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAシステムによる包括的骨代謝制御機構の解明
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25462381
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
福田 亨 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20301492)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨代謝 / マイクロRNA |
Research Abstract |
骨は運動・支持器官としての強度と血中カルシウム濃度の恒常性を保つため、一生涯にわたり形成と破壊を繰り返している。骨の形成は骨芽細胞、破壊(骨吸収)は破骨細胞が担っており、 形成と破壊の巧妙なバランスによって骨組織の恒常性が維持されている。近年の高齢化社会の進展に伴い、高齢者の生活の質の向上と維持の面からも骨疾患に代表される運動機器疾患の制御と克服が社会的にも求められている。骨粗鬆症や関節リウマチ、変形性関節症等、正常な骨代謝の破綻を起因とする疾患は患者数が非常に多いにも関わらず、そのメカニズムの解明や創薬研究についてはあまり進んでいないのが現状である。このため、骨代謝の分子メカニズムを解明し、その成果を臨床応用することが社会的な急務となっている。本申請者は世界で初めてRNAヘリカーゼp68の全身性KOマウスの作製に成功し、その解析から p68特定のmiRNA群のプロセッシングに重要な因子であることを証明した。これらの知見を踏まえ、マウスを用いた個体レベルでののmiRNAによる骨代謝調節機能の解明を行うことにした。 p68の生体内での機能を解明するため、p68 floxマウスを作製することとした。 floxマウス作製にあたり、まずin vitroにおいてp68が骨芽細胞分化に影響を与えるかについて解析を行った。マウス線維芽細胞由来MC3T3-E1細胞を用い、siRNAでp68をノックダウンすると骨芽細胞分化マーカーであるアルカリフォスファターゼの活性が低下した。floxマウスの作成を行ったところ、4ラインの相同組み換えESクローンを取得した。これらESクローンよりキメラマウスの作製を行ったところ、全てのラインでキメラマウスを取得し、その後の交配によりES細胞を由来とするF1マウスの作出に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの解析と共に、本研究課題の大きな柱であるfloxマウスの作成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したfloxマウスと各種骨細胞特異的Creマウスを交配し、骨組織の変化を検討する。また、培養細胞系においても骨芽細胞だけでなく、破骨細胞に対する影響も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験消耗品・試薬の効率的な使用により、予算の使用額が削減されたため。 目的とするfloxマウスの作成に成功したため、動物実験に関連する費用の充実を図る。
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