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2013 Fiscal Year Research-status Report

遺伝子改変動物を用いた疼痛ストレスにおける脳内生理活性物質の分子基盤の解明

Research Project

Project/Area Number 25462391
Research InstitutionUniversity of Occupational and Environmental Health, Japan

Principal Investigator

川崎 展  産業医科大学, 医学部, 助教 (40644860)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 上田 陽一  産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords神経内分泌学 / 疼痛 / 関節リウマチ
Research Abstract

オキシトシン(OXT)-mRFP1トランスジェニックラットを用いて慢性疼痛ストレスモデルでのOXTニューロンの可視化およびその機能について検討した。方法としては、リウマチ関節炎モデルの一つである結核死菌を用いたアジュバント関節炎 (AA) ラットを作製し、結核死菌投与後1日目、15日目および22日目に深麻酔下で灌流固定を行い、脳およびL3-5レベルの脊髄を採取した。採取した試料にて、ミクロトームを用いて視床下部神経核(視索上核および室傍核)、下垂体および脊髄後角切片を作成し、切片を蛍光・共焦点レーザー顕微鏡でmRFP1赤色蛍光の発現を観察、イメージアナライザーで視床下部神経核と脊髄後角におけるmRFP1赤色蛍光の面積と輝度を定量的に評価した。さらに同様のタイムコースで断頭し、視床下部神経核を含む薄切脳切片を作成し、in situ hybridization (ISH) 法を用いて遺伝子発現の解析を行った。mRFP1 mRNA発現ニューロンをイメージアナライザー(MCID画像解析装置)を用いて定量的に評価した。結果として、AAラットにおいて、OXT-mRFP1蛍光輝度が、下垂体後葉、視床下部視索上核・室傍核、そして脊髄後角において有意な増加を認め、またOXT-mRFP1 mRNA レベルも有意な増加を認めた。さらに増加したOXTの働きを評価するため、AAラットに対してOXTレセプターアンタゴニストの末梢投与を行い、抗炎症効果および温痛覚の閾値についても検討した。抗炎症効果については有意な差は認められなかったが、温覚の閾値については低下していた。つまり、慢性関節炎を引き起こしたAAラットでは視床下部OXTの増加が認められ、また視床下部室傍核-脊髄経路のOXT増加が、温覚の感受性に関わっていることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究は当初の計画通りに進行中である。今年度も昨年度計画した予定で、研究を行っていく方針とする。昨年度の実験結果については、引き続き国内外の学会で発表していく予定であり、現在英文論文執筆中である。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、ホルマリンを使用した急性疼痛ストレスモデルにおいて、視床下部および脊髄後角のOXTの変化について評価し、mRFP1蛍光タンパクを用いて、OXTの生理的役割とその分子基盤の解明を行う予定である。
方法としては疼痛ストレスモデルを作成するため、5%ホルマリン液をOXT-mRFP1トランスジェニックラットの(7週齢)雄ラット後足に皮下注射する。注射15分、2時間および6時間後に灌流固定し、脳および下垂体を採取する。採取した脳および下垂体はホルマリン固定後にミクロトームを用いて視床下部神経核を含む30 μm の脳切片を作成する。蛍光・共焦点レーザー顕微鏡でOXT-mRFP1発現細胞を観察し、イメージアナライザーで蛍光面積と輝度を定量評価する。またホルマリン皮下注射後、15分、2時間および6時間後に断頭し、体幹血、脳および下垂体を採取し、クリオスタットを用いて視索上核、室傍核および下垂体を含む12 μmの薄切脳切片を作成し、OXT-mRFP1 mRNAレベルをISH法にて定量評価する。体幹血はRIA法を用いてOXT分泌量を測定する。また上記研究の結果次第では、OXTの役割を追及するために、OXTアンタゴニストを末梢および脳室内投与し、感覚の閾値に影響するか否か行動実験にて検証する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] アジュバント関節炎における視床下部と脊髄後角でのオキシトシン発現動態の可視化2013

    • Author(s)
      松浦孝紀、川崎展、大西英生、上田陽一
    • Organizer
      第17回 日本心血管内分泌代謝学会学術総会
    • Place of Presentation
      大阪(千里ライフサイエンスセンター)
    • Year and Date
      20131122-20131123
  • [Presentation] The expression of the oxytocin-monomeric red fluorescent protein 1 fusion gene in the hypothalamus and spinal cord of adjuvant-induced arthritic rats.2013

    • Author(s)
      Matsuura T, Ishikura T, Yoshimura M, Ohkubo J, Maruyama T, Kawasaki M, Ohnishi H, Hashimoto H, Ueta Y
    • Organizer
      Neuroscience 2013
    • Place of Presentation
      San Diego, CA, USA(サンディエゴコンベンションセンター)
    • Year and Date
      20131109-20131113

URL: 

Published: 2015-05-28  

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