2013 Fiscal Year Research-status Report
多元的薬剤相互作用特性の解析による全身麻酔作用機序の解明
Project/Area Number |
25462402
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
足立 裕史 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80420355)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 全身麻酔 / 静脈麻酔 / 相互作用 / 薬力学 / 薬物動態学 / マウス / ラット / 就眠 |
Research Abstract |
(1)マウスを用いた実験(就眠をエンドポイントとした量反応曲線解析) マウスの就眠に必要な麻酔薬の投与量をプロポフォール並びにチアミラールを用いて明らかにすると共に、本年度は、これらの麻酔薬の必要量が、就眠の達成で定義した際に相互作用として影響を与える各種の神経伝達物質を就職する薬剤のみならず、希釈する溶媒の特性によっても大きく変化する可能性を見出し、具体的な作用増強、拮抗に関する因子を探索した。特に、脂肪製剤がプロポフォールの就眠量に大きな影響を及ぼす可能性が示唆され、これまでに解析を進めていた希釈による効果増強作用の他、脂肪製剤の同時、或は追加投与による拮抗作用を更に明らかにし得た。 また、就眠量の変化と、就眠時間の長短についての検討を行い、当初の目的であった時間軸を相互作用の評価の項目として捉える実験系の有用性を確認すると共に、標的臓器(脳)に於ける効果発現、消失が、継時的な薬物動態の変化を用いてより正確に説明し得る実験系を確立しつつある。 (2)ラットを用いた実験(脳波変化をエンドポイントとした量反応曲線解析) 新規に購入した脳波計(Bispectral Index Monitor)を使用した脳波解析の予備実験を開始し、安定したデータ収集と解析の手順を確認した。動物実験に関する新規の申請を行い、実験環境を整備し、実際の手技が行える体制を確立した。結果の一部は国際学会等への発表を開始している他、preliminaryに得られた成果についても投稿を準備中である。平成26年度第1四半期での投稿を計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展している。 プロポフォールと各薬剤との相互作用に関しては、ほぼ予定した比較対照試験を終了する事が出来た。また、それらの成果は国際学会等で発表し、良好な評価を得つつある。既に次年度の国際学会へも発表が決定している他、年度末までに得られた成果を取りまとめて、26年度10月以降に開催される学会へも抄録を送付中である。予備実験に関する結果に関しては、preliminaryな内容としてまとめ、投稿を準備中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策に関しては、これまで検討してきたプロポフォールの他、進行中のチオペンタール、更に国内では臨床応用されていないが、興味深い特性を持つエトミデートについて、試薬を調達し、今後検討対象の薬剤として研究に用いる予定である。 セボフルラン、或はデスフルラン等の吸入麻酔薬に関する相互作用の検討も大変興味のある内容であるが、これは26年度末には予備実験を開始したいと考えている。
|