2013 Fiscal Year Research-status Report
吸入麻酔薬の心筋保護作用における細胞膜マイクロドメインとオートファジーの役割
Project/Area Number |
25462405
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堤 保夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90523499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克哉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30263841)
大下 修造 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 非常勤講師 (60144945)
堤 理恵 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80510172)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / オートファジー / 細胞膜マイクロドメイン / カベオラ / カベオリン |
Research Abstract |
マウスを人工呼吸下に開胸、血行動態を測定しながら、心臓冠動脈左前下行枝を30分間閉塞した後を行なった。その後、2時間再潅流し、再び冠動脈を閉塞、Evans Blueを注入し心臓を取り出す。心臓をスライスし、TTCにて再染色を行い心筋梗塞サイズを測定する。コントロール群、吸入麻酔薬(イソフルラン1.0 MAC)群、オートファジー誘導剤(ラパマイシン)群において心筋梗塞サイズを測定比較した。その結果、コントロール群において心筋梗塞サイズがリスク領域の43%であったのに対し、イソフルラン投与群においては32%と減少した。さらに、オートファジー誘導群においては、28%であり、イソフルラン同様に心筋梗塞サイズの減少が認められた。同様のモデルを使用し、オートファジー抑制剤(3-メチルアデニン: 3-MA)を刺激前に投与し、虚血再潅流実験を行った。その結果、オートファジー誘導群の心筋保護作用は棄却され、心筋梗塞サイズは46%に上昇した。さらに、イソフルランによる心保護作用においても、オートファジー抑制剤によって心保護作用は棄却されたことから、イソフルランの心筋保護作用にオートファジーの関与が考えられた。 今後は、これらのメカニズムに、細胞膜マイクロドメインがどのように影響しているかをノックアウトマウスなどを使用し、明らかにする予定である。これらによって本研究期間内に、吸入麻酔薬の細胞膜マイクロドメインを介したオートファジーに及ぼす影響が明らかになると共に、心筋保護作用経路におけるオートファジーの果たす役割が解明される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した通りの慎重具合であり、おおむね順調と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に記載した通り、平成26年度に実験2.を平成27年度に実験3.を行い、虚血再灌流障害に対して細胞膜マイクロドメインを介する吸入麻酔薬による心筋保護作用が、オートファジーの誘導にどのように作用しているかを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度3月納品となり支払いが完了していないため、次年度使用額が生じた。 平成26年度4月に支払完了予定である。
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Research Products
(3 results)