2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規水チャネルの脳浮腫発症における機能の解析と新規脳浮腫治療薬の開発
Project/Area Number |
25462411
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
幸村 英文 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20347404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 寛 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20215742)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90264738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳浮腫 / アクアポリン / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
水チャネル<アクアポリン4(AQP4)>は、脳浮腫の発症に大きく関与することがわかっている。本研究では、脳に発現する新規水チャネル<アクアポリン9(AQP9)>の機能を詳細に検討し、さらに脳障害時のAQP9の機能変化や脳浮腫発症への関与を検討した。これにより、脳浮腫発症機序の完全なる解明と新規脳浮腫治療法の開発へのヒントを得ることを目的とした。 脳におけるAQP9の発現は、主にアストロサイトに存在することが、培養細胞を用いたRT-PCRによる研究により明らかとなった。また、免疫染色により脳内全体に分布しており、軟膜、上衣、海馬、白質、視交叉上核などに発現を認めた。 培養アストロサイトにおけるAQP9の発現は、高浸透圧によりP38MAPKを介して増加することが明らかとなった。また、dbcAMPによりPKAを介してAQP9の発現は増加することがわかった。さらに、TPAによりPKCを介してAQP9の発現は低下することがわかった。以上のように、AQP9の発現調節が解明されたことにより、発現調節が可能となった。 培養アストロサイトに低酸素による障害を加えたところ、AQP9の発現は低酸素により経時的に低下していった。低温度培養(32℃)による保護効果を検討したが、AQP4は低酸素による発現低下を抑制できたが、AQP9では保護効果がなく、発現が低下し続けた。 ラット中大脳動脈結紮モデルと腹膜炎による敗血症モデルを作成し、脳内のAQP9の発現を調査した。ラット中大脳動脈結紮モデルでは、アストロサイトにおけるAQP9の発現が増加傾向であった。一方、腹膜炎による敗血症モデルでは、AQP9の発現変化は明確には捕らえることができなかった。
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