2013 Fiscal Year Research-status Report
麻薬受容体の遺伝子多型とシグナル伝達系に関する革新的臨床および基礎研究
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25462422
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
猪股 伸一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10282352)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝多型 / 麻薬受容体 / 麻薬性鎮痛薬 / A118G / オピオイド |
Research Abstract |
麻薬性鎮痛薬は重要な役割を担っているが、効果と副作用発現量に大きな個人差がある。μ受容体遺伝多型がその一因と推測されるが、homo変異型を独立群とした3群による研究は皆無に等しく、正確な結果が得られていない。海外で変異型が少ないことが原因であり、人種別多型頻度に関する報告もない。複数のμ受容体周辺遺伝子と術中レミフェンタニルの至適量を観察し、責任多型を解明した。また、大陸の人種間比較も行った。 1.μ受容体の遺伝多型(タイプ別頻度): A118G変異(他の変異を含む)をSSCP法を用いてsequence。Primer設定はOPRM1-F1,R1など適宜変更。PCRは35サイクル。他の変異も同様に施行。日本(n=60)、中国上海(n=67)、ミャンマー(n=60)、米国白人(n=60)、フランス(n=48)、南米コロンビア(n=61)、コートジボアールアイボリーコースト(n=57)を解析した。日本人におけるG allele比率は49%であり、中国31%、ミャンマー28%、米国14%、フランス16%、コロンビア15%、コートジボアール8%、より有意に高かった。次にA118G, IVS2+G691C, IVS2+G31Aの遺伝子型頻度とレミフェンタニル至適必要量について、多型3タイプ別に解析した。A118G のhomo変異型では、野生型と比較して、2倍以上を必要とした。他の遺伝子変異は、影響しなかった。日本人については、さらにnを増やし県別に検討を加えている。欧米の治験結果は、日本人には当てはまらない危険性があり、副作用発現に注意が必要となろう。KCNJ6などシグナル伝達系の周辺遺伝子多型については、影響を解析中。遺伝子変異解析法を確立させ、μ受容体における日本人の特異性を解明できた。本結果はテーラーメイド医療の指標となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
麻薬受容体などの遺伝子変異に関して、世界にも類を見ない大陸間の人種比較が遂行できた。種々の遺伝子変異解析法を確立させ、μ受容体における日本人の特異性を解明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に準じて順調に進んでいるため、今後も現在の研究状態を維持する。
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