2013 Fiscal Year Research-status Report
食道癌手術における保護的一側肺換気による術後肺合併症および急性腎傷害予防の試み
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25462426
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 晴士 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (60282737)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 保護的一側肺換気 / 食道切除術 / 術後肺合併症 / 急性腎傷害 / 炎症性サイトカイン / バイオマーカー |
Research Abstract |
【具体的内容】 本研究は、肺切除術において広く用いられるようになってきた保護的一側肺換気を食道切除術に応用し、肺切除術における保護的一側肺換気と同様に術後肺合併症の予防効果を示すかどうかについて調べるものである。さらに手術中および後の炎症性サイトカインや腎傷害バイオマーカーを経時的に測定することにより、保護的一側肺換気が炎症性サイトカインの産生を抑制することで腎保護効果を示すという仮説について検証を行うものである。 【意義・重要性】 保護的一側肺換気による術後肺合併症の抑制効果や腎傷害に対する保護効果が示されれば、術前から呼吸機能や腎機能が低い、あるいは術後合併症のリスクの高い患者における転帰の改善が期待される。また、現時点では機能不全に陥った臓器がどのように他臓器の機能に影響を及ぼすかについては十分に明らかにされていないが、全身の炎症反応によって機序の一部を解明できる可能性があるほか、いずれの炎症性物質がその中心的役割を果たしているのかを明らかにできる可能性がある。 【2013年度の実績】 医学部倫理審査委員会による研究計画の承認を10月に得て、11月に研究を開始した。2014年3月までに8人の患者において研究を実施し、特に大きな問題は発生していない。炎症性サイトカインの測定は検体数が十分に集まっていないことから、まだ実施していない。腎傷害バイオマーカーや術中の動脈血液ガスデータについても同様に、統計処理に足るデータ数は得られていない。 【今後の計画】 現在、月2~3人のペースで研究が実施されており、今後も例数を重ねていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
医学部倫理審査委員会による研究計画の承認に半年以上を要したため、2013年度は8人の患者においてのみ研究を実施することができなかった。現在は月2~3人のペースで研究が実施されており、概ね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように現在は概ね順調に研究が実施されており、今後もこの調子で進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
医学部倫理審査委員会で臨床研究の承認を得るのに半年を要したため、実際の研究の開始が11月になってしまった。そのため、2013年度は8人しか研究を実施することができず、結果として検査費用を2014年度に繰り越さざるをえなくなった。 上記の理由で研究の開始が若干遅れたものの、現在は順調なペースで研究が進行しているため、今後は問題なく検査費用を使用することができるものと思われる。
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Research Products
(6 results)