2015 Fiscal Year Annual Research Report
ハロペリドールによる樹状細胞のレドックス平衡を介した免疫制御
Project/Area Number |
25462433
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏 庸三 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90647471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 裕士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50252672)
大田 典之 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379162)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ハロペリドール / ドーパミンD2受容体 / 一酸化炭素 / インターロイキン6 |
Outline of Annual Research Achievements |
人の免疫細胞に対するハロペリドールの効果を追求した。対象としてはマウスの単球マクロファージ細胞株であるRAW264を用いた。RAW264リポ多糖(LPS)を用いてマクロファージを活性化させる。活性化されたマクロファージはインターロイキン6(IL-6)、一酸化窒素(NO)やCD80といった副刺激分子の発現を上昇させる。またこれらの炎症性メディエーターのシグナル伝達の上流に位置する分子であるNF-κBの活性化を、レポーターアッセイを用いて評価した。レポーターアッセイによって活性化メディエーターの発現の上昇はNF-κBの活性化を介していることが示唆された。 次にハロペリドールをこの活性化過程に添加するとマクロファージの活性化に伴うこれらの変化、すなわち活性化メディエーターの発現の上昇が抑制された。さらに上流に位置するNF-κBの活性化もハロペリドールが抑制していることが示された。次にこのハロペリドールの作用がどの分子に依存しているのかを明らかにすべくハロペリドールの作用分子であるドーパミンD2受容体のリガンドを用いた解析を行った。マクロファージの活性化過程にドーパミンD2受容体リガンドがハロペリドールの効果と同様の作用を及ぼした。すなわちハロペリドールはドーパミンD2受容体を介して作用していることが示唆された。最後にドーパミンD2受容体がマクロファージにおけるハロペリドールの標的分子であることの証明としてD2受容体に対するsiRNAの導入を行ってD2受容体ノックダウン細胞を作成した解析を行った。D2受容体ノックダウン細胞ではハロペリドールの作用が減弱することが確認された。以上からマクロファージにおいてハロペリドールはD2受容体を介して抑制的作用を発揮することが示唆された
|