2013 Fiscal Year Research-status Report
GLP-1の心筋虚血再灌流障害に対する役割と分子機序の解明
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25462441
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 伊津子 長崎大学, 大学病院, 助教 (10404245)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GLP-1アナログ / 心筋虚血再潅流障害 / 心筋スタニング |
Research Abstract |
麻酔したブタを用いて、気管切開を行い人工呼吸器を装着し、胸骨を切開し心臓を露出し、頚動脈-左前下行枝バイパスを作製した。このバイパス回路を12分間遮断し90分間解除することによって左前下行枝灌流領域を虚血再灌流させる心筋虚血再灌流モデル(心筋スタニングモデル)を作成した。虚血再灌流部位に一対の超音波クリスタルを植え込み局所心筋短縮率(%SS)測定し、心筋収縮力の指標とした。このモデルを用いて、GLP-1 agonistリラグルチドがスタン心筋の回復に与える影響について検討した。GLP-1 agonistリラグルチドは臨床使用量である15μg/kgを7日間、1日1回朝食前にブタに皮下注射により投与し、その後麻酔を行い心筋スタニングモデルを作製し、実験を行った。対照群はリラグルチドの代わりに生理食塩水を同様に投与した。 1. GLP-1 agonistリラグルチドの臨床使用量である15μg/kgを1週間投与した群は生理食塩水を投与した群(コントロール群)と比較して心筋スタニングからの回復を改善することが明らかとなった。以上より、GLP-1 agonistリラグルチドは心筋スタニングに対して保護作用があることが証明された。 リラグルチドは糖尿病治療薬であることから、血糖の変化も検証した。結果はコントロール群と比較して血糖値に有意差はなく、低血糖の危険性は高く無かった。 この成果は2014年5月に開催される日本麻酔科学会総会でポスターディスカッションに採択されており、発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初のほぼ予定通りに実験を行う事が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は、計画通りに実験を行う。さらに論文を作成するうえで、追加実験が必要になれば実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
薬剤の購入費が予定していたよりもかからなかった。 薬剤購入費に使用する予定。
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