2013 Fiscal Year Research-status Report
時間分解分光システムを用いた肝組織の酸素化状態の無侵襲的評価法の確立
Project/Area Number |
25462443
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安田 智嗣 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80437954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 泰之 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20264426)
松永 明 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70284883)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近赤外線分光法 / 肝虚血 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、6波長時間分解分光システム(6波長TRS)を用いて、低酸素状態を誘発した際の肝臓の酸素化状態を無侵襲的に計測できるかどうかを評価することである。実験方法:ミニ豚に麻酔、気管挿管後、人工呼吸下に実験を行い、心電図、SpO2、PetCO2もモニターした。この条件において、下記の3種類の実験を行った。実験1: 開腹し、肝臓表面に6波長TRSを装着し肝組織を計測。また、低酸素状態を誘発する。実験2: 体表(肝臓直上)に6波長TRSを装着し肝組織を計測。同様に低酸素状態を誘発する。実験3: 腹壁と肝臓の間に遮光目的の遮光幕を挿入した条件下で、体表(肝臓直上)に6波長TRSを装着し肝組織を計測し、同様に低酸素状態を誘発。実験結果:実験1より、肝組織の吸収は非常に高く、肝表面に装着した6波長TRSプローブ間距離が2cmの場合、肝臓を直接計測でき、総ヘモグロビン濃度は約 730[μM] であった。また、低酸素状態により肝臓のヘモダイナミクス変化を検出できた。一方、体表より肝組織の検出を試みた実験2と、腹壁と肝臓との間に遮光幕を挿入した実験3を比較すると、低酸素状態を誘発したにもかかわらず、両者に大きな違いが確認できず、体表からの6波長TRS測定では肝臓由来の信号を検出できていない可能性が示唆された。これは、(1)6波長TRSプローブ間距離が2-3cmでは体表から肝臓まで光が到達不能。(2)体表に装着した6波長TRSプローブ位置が、肝臓を検出する最適な位置ではない、などの原因が考えられた。今後の課題:(1)高出力TRS Systemを用いて、体表に装着したTRSプローブ間距離を長くした際に肝臓由来の信号が検出できるのかを確認する。(2)超音波を用い体表面に装着した6波長TRSプローブの位置が肝臓を検出する最適な位置であるのかを確認しながら実験を行う。上記の実験を行い、TRSシステムを用いて肝組織の酸素化状態の無侵襲的評価法を確立する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年次の大きな目標であるブタを用いて、肝臓の虚血を直接TRSプローブを肝表面において検出できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)高出力TRS System を用いて、体表に装着したTRSプローブ間距離を長くした際に肝臓由来の信号が検出できるのかを確認する。(2)超音波を用いて、体表面に装着した6波長TRSプローブの位置が肝臓を検出する最適な位置であるのかを確認しながら実験を行う。上記の実験を行い、TRSシステムを用いて肝組織の酸素化状態の無侵襲的評価法を確立する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
また先行実験を試行してから本実験を行うこととしたため、予定より飼料、物品等の支出が抑えられたため、未使用額が生じた。 他に、学会に参加することが出来ず、中間報告が出来なかったため、予定より未使用額がさらに増えてしまった。 本実験に使用する、飼料等を購入する物品費に当てる予定である。
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