2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25462445
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水谷 健司 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (00381525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00256075)
保坂 隆 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (40129648)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メンタルヘルス / 運動 / 携帯端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、前回の科学研究費補助金で我々が行った、麻酔科医のメンタルヘルスの全国的状況調査およびメンタルヘルスと職場環境改善に関するワークショップを継続するとともに、大学麻酔科医局の産業医的医師を設けることによる効果、および運動の奨励や、強制的休息といった、現場でできるメンタルヘルス対応策の効果を検証することを目的としてデザインした。これにより、前回の科学研究費補助金の成果をさらに発展させ、啓発活動としてのワークショップと、現場でできる具体的手法(産業医的医師、運動、強制的休息)の組み合わせという、包括的な対策を提言することを目的とする。 研究3年目の平成27年度は、研究代表者の水谷、研究分担者の後藤が、横浜市立大学の第二附属病院である市民総合医療センターに異動した。ここは非常に忙しく、また人間関係に問題があって、数年間にわたって麻酔科が医局崩壊を起こしている場所であった。パワーハラスメントを示唆するような現象もみられ、この年度はこの現象の分析と、それが集団の構成員に及ぼす心理的影響の記述を主に行うこととなった。 ストレスや運動量の測定について、この研究をデザインした平成24年当時にはなかった、携帯端末による24時間測定できる簡便な器具が相次いで発売されるようになった。これらの器具を試験的に購入し、本研究に用いることができるかどうかを検討した。 分担者の保坂は、引き続き横浜市立大学麻酔科医局の産業医として機能した。コンサルテーションは例年通りの件数があった。平成22、23年ごろには見られた、うつ病を含むメンタルヘルス問題で休業する医局員は、平成25、26年度に引き続き平成27年度もゼロであり、保坂の産業医としての機能には一定の意義があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会でのメンタルヘルスワークショップの採択がなくなったため、これを全国規模で開く有効な手段がなくなった。 また、運動の効果の検証については、この研究を考案したときに考えた、単純な万歩計では運動量を測るだけで、そのフィードバックを被験者にかけることができない。ところが昨今、デバイスやシステムが発展し、運動量を被験者にフィードバックして、運動を促す心理的効果をもつデバイスが相次いで発売されているので、それらのうち適当なものを選んで用いる研究デザインとすることを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
学会でのメンタルヘルスワークショップが採択されなくなったことに対しては、当初の研究計画調書に記したように、横浜市立大学麻酔科医局を対象とすることとする。医局内で教育およびアンケート調査を行い、平成21年度に行ったデータと比較して、経時的変化を調査する。 携帯端末を用いた運動量評価およびストレス評価を用い、これまでに樹立された質問票によるストレスとの比較を行う。
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Causes of Carryover |
ストレスや運動量の評価として、この研究を考案したときに考えた、単純な万歩計では運動量を測るだけで、そのフィードバックを被験者にかけることができない。ところが昨今、携帯端末が発達し、特に身に着けるタイプの(ウェアラブル)端末が安価で発売されるようになり、普及し始めている。近い将来、これらがストレスの自己評価および日常生活へのフィードバックの標準的な道具となる可能性が高く、本研究の目的のためには、ウェアラブル端末を取り入れた研究が必要と考えるに至った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、万歩計の代わりにウェアラブル端末を用いて研究を行う計画である。対象は本学麻酔科医局員とし、心理調査票とウェアラブル端末の結果を比較し、それに運動による介入の効果を検証する。
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