2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経障害性疼痛特異的microRNAクラスターの多角的解析
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25462454
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
坂井 敦 日本医科大学, 医学部, 講師 (30386156)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛は神経系そのものの障害に起因する慢性疼痛である。この疼痛は難治性であるため、神経障害性疼痛に特異的に有効な鎮痛薬が早急に開発されることが望まれる。神経障害性疼痛の治療が困難な理由の1 つに、感覚神経において可塑的に発現変化するタンパクの多様性がある。従来、タンパク発現の調節においては転写活性の調節が重要であると考えられていたが、タンパクをコードしない非翻訳性RNA の一種であるmicroRNA(miRNA)によるmRNA の翻訳制御がタンパク発現の調節において極めて重要であることが近年明らかにされてきた。本研究において、miR-17-92クラスターの中で、疼痛に寄与するマイクロRNAを同定してきた。 本年度は、バイオインフォマティクスによりこれら疼痛に寄与するマイクロRNAの標的となる可能性のある遺伝子ファミリーを見出した。実際に、ルシフェラーゼアッセイによりこれら遺伝子ファミリーが標的となることを明らかにした。また、in vivoにおいても実際にmiR-17-92クラスターの過剰発現によりこれらの遺伝子群の発現が低下することを見出した。更に、電気生理学的にもこれらの知見が正しいことを確認し、痛覚神経機能の調節にmiR-17-92が重要であることが明らかになった。事実、これらの遺伝子群を標的とする化合物を組み合わせて投与することにより、著明な鎮痛効果が得られることが示された。
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