2015 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性疼痛の発症機序における長鎖脂肪酸受容体 GPR 40 の関与
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25462458
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
徳山 尚吾 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (70225358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 賀寿夫 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30432636)
原田 慎一 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (60633443)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳虚血ストレス / 疼痛 / プロテオーム / 鎮痛補助薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中後の難治性の後遺症の 1 つである脳卒中後疼痛 (central post-stroke pain : CPSP) は、神経障害性疼痛の 1 つとして分類され、脳卒中患者の約 1-14% に発症する。現在は、神経障害性疼痛治療ガイドラインに準じた薬物治療や外科的治療が行われているが、根治させることは困難であることが言われており、有効な治療法の確立が急がれている。 今年度の研究では、脳卒中後疼痛に関与する因子を網羅的に検討するために、脳卒中後疼痛を模倣する動物モデルに対し、二次元電気泳動法によるプロテオソーム解析を用いて、新規関連因子の同定を行った。さらに、本モデルに対し、既存の神経障害性疼痛治療薬の効果を検討した。 5 週齢の ddY 系雄性マウスに、30 分の両側総頸動脈閉塞法 (BCAO) を施し、全脳虚血モデルを作成した。BCAO 1 日後の疼痛発現に関与する因子をプロテオーム解析によって網羅的に解析した。その結果、関与する可能性のある 4 つの因子 (N(G), N(G)-dimethylarginine dimethylaminohydrolase-1, dihydropyrimidinase-related protein-2 or -3, myosin regulatory light chain-2) の同定に成功した。BCAO 3 日後の後肢において認められた機械的アロディニアは、イミプラミン、ガバペンチン、メキシレチンおよびモルヒネ投与群において、対照群に比較して有意な抑制が認められた。しかしながら、インドメタシンおよびカルバマゼピン投与群では、対照群と何ら変化が認められなかった。 以上の結果から、脳卒中後疼痛に関与する因子が明らかとなり、その関連を詳細に検討することによって、脳卒中後疼痛の新規治療戦略を確立できる可能性が示唆された。
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