2013 Fiscal Year Research-status Report
外科侵襲による抗菌ペプチド産生変化と白血球モジュレーションによる制御法の開発
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25462461
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川崎 貴士 産業医科大学, 医学部, 准教授 (60299633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 好司 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (50248572)
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 教授 (60128030)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 外科的侵襲 / 自然免疫 |
Research Abstract |
外科侵襲により患者の免疫能が低下し易感染状態になる。感染性合併症発症から臓器不全、死へと至る。手術部位感染症(Surgical Site Infection: SSI)は手術患者の院内感染症頻度では最多である。SSI発生は入院期間の延長、医療費の増大、患者の医療への満足度低下をまねく。近年、SSIへの関心は高まってきている。本研究は、1.外科侵襲による免疫担当細胞(単球・マクロファージ、好中球、リンパ球)のプロフィール変化を評価する。2.外科侵襲による表皮ケラチノサイトからの抗菌ペプチドの産生変化を評価する。3.免疫担当細胞と表皮ケラチノサイト間のインターアクションを検討する。4.侵襲下の免疫担当細胞プロフィール変化を制御する戦略を開発する。5.抗菌ペプチド産生制御によるSSI予防の戦略を開発する。以上5項目について検討し、外科侵襲下の免疫能低下における白血球のプロフィール変化と表皮ケラチノサイト抗菌ペプチド産生能との間の相互作用の関与について解明し、それを制御する戦略を開発、周術期感染性合併症発生、死亡率の低下を図ることを目的とする。平成25年度は以下の研究を行った。研究1:外科侵襲による免疫担当細胞(単球・マクロファージ、好中球、リンパ球)のプロフィール変化を評価(動物実験;熱傷モデル、外傷出血モデル 臨床研究;呼吸器外科手術患者、人工心肺下心臓外科手術患者)。研究2:免疫担当細胞と表皮ケラチノサイト間のインターアクションを検討(動物実験;熱傷モデル、外傷出血モデル 臨床研究;呼吸器外科手術患者、人工心肺下心臓外科手術患者)。研究3:侵襲下の免疫担当細胞プロフィール変化制御戦略開発 として、呼吸器外科手術患者においてレミフェンタニル投与が与える影響、人工心肺下心臓外科手術患者においてデクスメデトミジン投与が与える影響について検討。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験については実験施設の問題があり予定が遅れているが、臨床研究は順調にサンプリングが進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の研究を推進する予定である。 研究1:侵襲下の免疫担当細胞プロフィール変化を制御する戦略を開発(動物実験・臨床研究)。研究2:抗菌ペプチド産生制御によるSSI予防の戦略を開発(動物実験・臨床研究)。平成25年度に行った外科侵襲による免疫担当細胞プロフィール変化(熱傷モデル、外傷出血モデル、開胸・開腹手術患者、人工心肺下心臓外科手術患者)、免疫担当細胞とケラチノサイト間のインターアクション(熱傷モデル、外傷出血モデル、開胸・開腹手術患者、人工心肺下心臓外科手術患者)の結果をもとに、侵襲下の免疫担当細胞プロフィール変化制御戦略を開発する。さらに抗菌ペプチド産生制御によるSSI予防戦略の開発も進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床研究については検体のサンプリングは順調に進んでいるものの検体測定は行われておらず、測定に必要なキットの購入が進んでいない。また、動物実験については研究施設の問題等で実験が進んでおらず、このために算定した研究費が使用されていない。 今後、サンプリングにより集まった検体の測定を行うため測定キットの購入を進める予定である。また、動物実験についても実験、検体収集を進め、測定キット購入を行う予定である。
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Research Products
(7 results)