2013 Fiscal Year Research-status Report
選択的Nav1.3阻害薬の開発を目指した、電位依存性Naチャネルの抑制機序解析
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25462462
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 教授 (60128030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀下 貴文 産業医科大学, 医学部, 講師 (40369070)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 電位依存性ナトリウムチャネル / Nav1.3サブユニット / Nav1.3選択的阻害薬 / 新たな鎮痛薬開発 |
Research Abstract |
神経障害性疼痛は、難治性の慢性疼痛を形成する病態の一つであり、新たな鎮痛薬の開発が強く望まれている。我々は、Nav1.3の選択的阻害薬の開発が神経障害性疼痛に対する有効な鎮痛薬開発につながる可能性が高いと考え、Nav1.3に関する疼痛抑制機序を分子レベルで解明することを目的として研究計画を立てた。①電気生理学的手法(アフリカツメガエル卵母細胞発現系と分子生物学的手法を用いたNav1.3, Nav1.7阻害薬のNav1.3に対する作用部位の同定)、②同手法を用いた同阻害薬のNav1.7に対する作用部位の同定、③同手法を用いたNav1.3のみを選択的に阻害するための作用部位の同定、④遺伝子変異マウスと神経障害性疼痛モデルマウスによる鎮痛効果の検討、である。 我々はこれまでに、種々の抗うつ薬が、Nav1.2、 Nav1.6、 Nav1.7、 Nav1.8機能を抑制することを報告してきたが、特にNav1.7に対するアミトリプチリンの抑制効果が最も強い効果であった。そこで、これまでに行っていなかったNav1.3に対する抗うつ薬の影響を調べたところ、Nav1.7と同等の抑制効果が認められた。さらに、αサブユニットと結合する4種のβサブユニット(β1–4)のうち、神経障害性疼痛モデルにおいて、β3サブユニットの発現量が増加することが報告されているが、β1と共に発現させたNav1.3と、β3と共に発現させたNav1.3に対する抗うつ薬の影響を比較したところ、β3と共に発現させたNav1.3に対する効果の方が、有意に強い効果であることが確認された。これらの結果は、Nav1.3の抑制作用が、神経障害性疼痛時におけるアミトリプチリンの鎮痛機序の一つである可能性を示唆している。今後、分子生物学的手法を用いることにより、アミトリプチリンのNav1.3に対する作用部位の同定を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗うつ薬、アミトリプチリンが、ナトリウムチャネルサブユニット、Nav1.3とNav1.7機能を同等に抑制することが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結果を元に、アミトリプチリンのNav1.3に対する作用部位の同定を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額以内で購入できる試薬がなかったため、次年度使用とした。 次年度予算と合わせ、試薬を購入する予定である。
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