2015 Fiscal Year Research-status Report
ホルモンのサーカディアンリズム障害に立脚した前立腺癌リスクの解析
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25462468
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柴田 康博 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90344936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 誠二 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10636210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ホルモン / 日内変動 / 前立腺 / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果より①90%の成人男性においてテストステロンおよびコルチゾールは午前中に高く、午後に低い日内変動が存在した。変化率の中央値はそれぞれ25.2%、36.2%であった。②DHEA-S濃度は日内変動が少ない。③メラトニンは各ホルモンとの有意な相関は認められなかった。④前立腺癌患者はメラトニンの変動が少ない傾向が認められ、概日リズムの乱れが癌の発生に関与していることが示唆された。⑤午前コルチゾール値とグリソンスコアとは正の相関が認められた。⑥前立腺肥大症例ではIPSSスコアと精巣性アンドロゲン、副腎性アンドロゲンはともに負の相関を示し、IPSSスコアとメラトニン変化率に負の相関が認められた。 本年度は時計遺伝子の発現定量を行った。対象とする遺伝子はCLKとPER2とした。前立腺生検時に得た組織を用いてリアルタイム定量的PCR法により遺伝子発現定量を行った。前立腺組織において両遺伝子の発現が認められ、PER2の発現がCLKよりもはるかに多かった。遺伝子発現とホルモン定量値、ホルモン変動、前立腺疾患との関係を解析したが、特に有意な相関を認めなかった。 このため、研究期間を平成28年度まで延長し、アンドロステンジオンなど、他の日内変動を示す因子を検討項目に加えてさらに解析を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ホルモンの日内変動は確認されたが、前立腺癌との有意な相関は認められなかったため、検討する因子の追加、解析方法の検討等を行っていたために当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで検討したホルモンの日内変動との有意な相関は認められなかったため、新たにアンドロステンジオンを追加測定し解析する。また前立腺組織内の時計遺伝子の発現について、対象とする遺伝子を拡大して解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の遂行に遅れが出ており、研究期間を1年間延長し、助成金の使用も次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに追加した検討項目の解析の過程で、追加検討する必要事項が生じた場合には、これに使用する。また解析結果により、論文化が可能であれば、その経費として使用する。
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