2013 Fiscal Year Research-status Report
去勢抵抗性前立腺癌におけるFOXA1の機能解析と予後予測ノモグラムの構築
Project/Area Number |
25462469
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂本 信一 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70422235)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / FOXA1 / アンドロゲン受容体 / 去勢抵抗性 |
Research Abstract |
目的:これまで我々は、マイクロアレイを用いて、前立腺癌に特徴的な新規候補遺伝子の絞り込みを検討し、候補遺伝子の中からFOXA1に着目した。FOXA1は、Androgen Receptor(AR)を介して前立腺特異的遺伝子の発現を調整し、前立腺初期発生で重要な役割を果たしていることが知られている。これまで我々は、ホルモン感受性癌における役割について解析してきた。今回、ホルモン抵抗性前立腺癌を用いて解析をおこなった。 方法:ウェスタンブロット、Real-time PCRにて、蛋白とRNAの発現を解析。siRNAを用いて遺伝子をノックダウン。pGL3-PSA vectorを用いてLuciferase assayを行った。正常前立腺、前立腺肥大症、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌標本を用いてFOXA1の発現を解析を行なった。 結果:FOXA1の発現は、去勢抵抗性前立腺癌細胞株C4-2において、LNCAP同様に高い発現を認めたが、ARを有さないDU145,PC-3において低発現であった。C4-2細胞株において、siRNAによりFOXA1をノックダウンして機能解析したところ、有意に細胞増殖能を抑制し、強制発現させると逆に増殖を促進した。また、Luciferase Assayを用いた解析では、FOXA1のノックダウンはDHTに伴うARプロモーターの活性のみならず、IL-6によるリガンド非依存的活性も優位に阻害した。FOXA1のノックダウンは、C4-2細胞においてInsulin-like Growth Factor Binding Protein 3 (IGFBP-3)の発現を(2倍)上昇させたが、LNCAP(>15倍)と比較してその変化は低い値であった。 臨床検体を用いた発現解析では、FOXA1の発現は、前立腺癌と比較して、去勢抵抗性前立腺癌において優位に発現亢進((P<0.001))を認めた。一方、正常前立腺と比較して、前立腺肥大症で最も低い発現を認めた。 結論:以上の結果から、去勢抵抗性前立腺癌におけるFOXA1の病理学的診断マーカー、及び、治療分子標的としての可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
去勢抵抗性前立腺癌におけるFOXA1の役割について解析し、去勢抵抗性細胞株においても、感受性細胞株同様に、細胞増殖、AR機能の調整に関与しており、特に、リガンド非依存的アンドロゲン受容体活性に重要な役割を果たすことを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、FOXA1,アンドロゲン受容体をノックダウンした状態におけるMicroRNAの解析をマイクロアレイにて施行しており、本年度からFOXA1とARシグナルにおけるMicroRNAの重要性について解析を進めている。
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