2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞競合により制御される前立腺癌間質リモデリングの解明
Project/Area Number |
25462475
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
石井 健一朗 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90397513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 泰三 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30162762)
広川 佳史 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30322738)
杉村 芳樹 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90179151)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 / 線維芽細胞 / 間質リモデリング / 細胞競合 / in vitro共培養系 / 増殖因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
実験1:ヒト前立腺癌間質に得意的な遺伝子発現解析を行う予備検討として、PAXgene Tissue Systemという新規組織固定法の導入を試みた。PAXgene Tissue Systemは、ホルマリン固定と同様の病理組織学的な解析が可能なだけでなく、質の良いRNAやmiRNAも抽出できることが大きな特徴である。今回、膀胱全摘の男性患者から摘出した前立腺組織をPAXgene Tissue Systemにて固定し、Laser Capture Microdissection (LCM)を用いて間質層を回収し、専用のキットを用いてRNAを抽出後にcDNAを作製し、リアルタイムPCRにて標的遺伝子の増幅を検討した。その結果、PAXgene Tissue Systemにて固定された前立腺組織標本から効率良く遺伝子発現解析できることを確認した。次年度は、癌を含む前立腺組織を使って、前立腺癌細胞の周囲に限局する間質と正常腺管周囲の間質を選択的に採取し、遺伝子発現解析を試みる予定である。 実験2:ヒト前立腺癌間質における細胞競合のin vitro再現系の構築を行う予備検討として、市販されている正常ヒト前立腺間質細胞PrSCとPrSMC、および摘出手術材料より初代培養法にて単離したヒト前立腺癌関連線維芽細胞PCaSC-8の性状解析を行った。その結果、細胞増殖速度はPrSC>PCaSC-8>PrSMCの順に速く、VEGF産生量はPCaSC-8>PrSC>>>PrSMCの順で高かった。また、IL-6およびTGF-beta1産生量はPCaSC-8>PrSMC>PrSCの順で高いことを確認した。次年度は、これら3種の線維芽細胞を用いたin vitro共培養系を構築すること。さらに当科で独自に初代培養して得られるヒト前立腺癌関連線維芽細胞とのin vitro共培養系の構築へと発展させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト前立腺癌間質に特異的な遺伝子発現を解析するために、従来のホルマリン固定法では難しいことが判っていたため、PAXgene Tissue Systemという新規組織固定法の導入を試みた。その結果、我々が求めるレベルで遺伝子発現解析を施行できると考えられ、次年度以降の解析に期待が持てた。 また、当科における癌関連線維芽細胞の初代培養実験も順調に進んでおり、症例数が目標に達した段階で性状解析からin vitro共培養系の実験まで今年度に予備検討した実験が活かされると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に進展しているので、次年度以降も精力的に実験を続けていきたい。
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Research Products
(5 results)