2013 Fiscal Year Research-status Report
淡明腎細胞癌における解糖系関連遺伝子の治療標的としての有用性の検討
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25462480
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
長尾 一公 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70379949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 栄二 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30232177)
松本 洋明 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60610673)
松山 豪泰 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70209667)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 淡明腎細胞癌 / 治療標的 / 予後予測因子 |
Research Abstract |
1. In vitroでの淡明腎細胞癌株における発現抑制実験を行った. NDUFA4L2およびMCT4遺伝子の発現が共に亢進している淡明腎細胞癌株SKRC10およびFABP7遺伝子の発現が亢進している淡明腎細胞癌株A498へ,siRNAをリポフェクタミン法にてtransfectし,scramble siRNAをtransfectさせたコントロール群と比較して,このtransfectionによる,これら遺伝子のRNAレベルおよびタンパクレベルでの発現抑制をqRT-PCRおよびWestern blottingにて確認した. さらにMTT assayおよびMatrigel invasion assayを用いて,これら遺伝子発現を抑制した癌細胞の細胞増殖能および遊走能の低下の有無を検討した.遺伝子発現の抑制による細胞増殖能,遊走能の低下を有意に認めた遺伝子はFABP7であった. 2. ヒト淡明腎細胞癌組織におけるFABP7の発現を免疫組織染色にて行った. ヒト淡明腎細胞癌のパラフィン包埋組織40検体を対象に,FABP7のタンパク発現を検討した.FABP7発現は,有遠隔転移症例において有意に高発現していた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定した標的遺伝子(NDUFA4L2,MCT4)よりも,有望な標的遺伝子(FABP7)を同定することが出来た.FABP7は治療標的として有用なだけでなく,予後予測マーカーとしても有用であると考えられ,進行癌症例において高発現しており,このような予後不良症例に対する治療標的となる可能性がある.
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Strategy for Future Research Activity |
FABP7は,淡明腎細胞癌における脂質代謝を介して,癌細胞の増殖や転移に寄与していることが予想される.今後は,淡明腎細胞癌におけるFABP7の機能解析を進めて行き,従来の血管新生阻害以外の治療標的の可能性を追及して行く方針である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画で予定していた標的遺伝子では予想通りの結果が得られず,この実験が想定通りには進まなかった.一方,他の有望な遺伝子が同定できたため,この遺伝子に関する実験を進めた.この結果,実験計画の変更に伴い未使用額が生じた. 次年度,新規遺伝子の機能解析実験に関する費用(試薬,消耗品等)に充当する.
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Research Products
(1 results)