2015 Fiscal Year Annual Research Report
淡明腎細胞癌における解糖系関連遺伝子の治療標的としての有用性の検討
Project/Area Number |
25462480
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
長尾 一公 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70379949)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 栄二 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30232177)
松本 洋明 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60610673)
松山 豪泰 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70209667)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 脂肪酸結合タンパク / 淡明腎細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は淡明腎細胞癌における新規治療標的を探索することを目的に、淡明腎細胞癌と正常腎組織を対象にトランスクリプトーム解析を行い、最も発現が亢進していたFABP7の淡明腎細胞癌におけるfatty acid binding protein 7 (FABP7)の治療標的およびマーカーとしての有用性を検討した。 淡明腎細胞癌組織60例、正常腎組織20例を対象とした、我々のトランスクリプトーム解析の結果では、淡明腎細胞癌では正常腎組織と比較して、FABP7が最も高い発現中央値を示しており、このことはCancer Gnome Atlas (TCGA) databaseの結果とも一致していた。一方、FABP7の発現は症例間で大きな個体差を認めており、FABP7の発現には個体差があると考えられた。進行性淡明腎細胞癌40例を対象とした免疫組織染色の結果からは、FABP7高発現は遠隔転移があり、癌特異的生存率不良との間に有意な相関を認めた。MTT assayでは、FABP7の機能抑制は、SKRC10の増殖抑制をもたらした。また、Matrigel Invasion Assayの結果からは、FABP7の機能抑制は有意な浸潤能の抑制を認めた。一方でSKRC7ではこのような抑制は認めなかった。TCGA databaseにも示されているが、SKRC7におけるFABP6の発現レベルは高く、一方SKRC10では低かった。SKRC7におけるFABP6の機能抑制は、増殖抑制効果を示したことから、SKRC7ではFABP7の機能はFABP6により代償されている可能性があると考えられた。 淡明腎細胞癌におけるFABP7の発現上昇は、細胞増殖能や転移浸潤能と正の相関があり、腫瘍によってはFABP6によりこの機能が代償される可能性があると考えられた。FABP7およびFABP6は新たな治療標的もしくはマーカーとなりうると考えられた。
|
Research Products
(1 results)