2013 Fiscal Year Research-status Report
膀胱癌における4N1K-peptideの臨床病理学的意義と進展抑制効果の研究
Project/Area Number |
25462487
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮田 康好 長崎大学, 大学病院, 講師 (60380888)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英樹 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40235122)
望月 保志 長崎大学, 大学病院, 講師 (40404256)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 4N1K-peptide / 血管新生 / Thrombospondin / 膀胱癌 / 化学発癌マウスモデル |
Research Abstract |
(血管新生の組織における半定量化に関する検討)検討対象である4N1K-peptideの持つ最も重要な役割は血管新生の抑制である。一方、組織検体における血管新生の定量化については議論が多く、どのような抗体を用いた方がより病態を反映した評価ができるのかもよくわかっていない。そこで我々は、まず膀胱粘膜と同じ尿路上皮であり、その組織が筋層を含めて採取される上部尿路癌で代表的な血管内皮細胞に発現するCD31、CD34、CD105を用いて検討した。その結果、CD105を用い評価した血管新生がその病期や予後と関連することを見出し報告した。このことは、本研究をより正確で臨床的に意義の高いものとする上で重要だと考えられた。 (血管新生促進因子の解析)血管新生は、今回の研究対象である4N1K-peptideのような抑制因子と、vascular endothelial growth factor(VEGF)やcyclooxygenase(COX)-2といった促進因子のバランスによって決まる。そこで我々は、本研究の進行と同時にこれらの血管新生促進因子の発現および機能制御に重要な役割を果たすhuman antigen-R(HuR)の膀胱癌における意義を検討した。その結果、HuRがこれらの分子の発現を制御していることが膀胱癌患者の組織で明らかとなり、4N1K-peptideが最終的に果たす意義を理解する上で重要な情報となった。また、膀胱癌の検討を進めるに当たり、他の泌尿器癌における血管新生の制御や役割を解析し有益な情報を得た。これらの結果は今後の本研究における網羅的検討に有用である。 (膀胱癌細胞における4N1K-peptideの発現)現在、膀胱癌患者の病理検体における4N1K-peptideの発現を免疫染色学的手法で検討し、その抗体の特異性を確認した。また、細胞における発現をwestern blotで確認できており、さらに細胞内局在を特定する検討に入った。これらに検討および研究成果は、今後、in vivo、in vitroと複合的な研究を進めていく上で必須である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、膀胱癌患者および膀胱粘膜と同様の性格を持つ上部尿路癌患者における、4N1K-psptideの臨床病理学的意義の解析が進んで いる。同時に、マウスモデルおよび培養細胞における研究も順調に進行しており、当初の予定通りに総合的な進行ができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
培養細胞における4N1K-peptideの役割が、その細胞の性格で異なることがわかってきており、さらに多様な細胞で検討を進める。
|
Research Products
(12 results)