2015 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌に対するサイトカインシグナル制御による新しい抗体療法の開発
Project/Area Number |
25462492
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
石橋 啓 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90347211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
相川 健 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80295419)
柳田 知彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20363765)
羽賀 宣博 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50586617)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腎癌 / サイトカイン / 分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではIFNに抵抗性の腎癌において特に高レベルで発現する事が判明した“SOCS3”の生物活性を解析し、腎細胞癌がIFNによって活性化された宿主免疫の攻撃(NK細胞に発現するTRAIL)から回避する機構を解明を試みた。 腎癌細胞株786-Oは、ACHN株、Caki1株、Caki2株と異なり、IFN投与でIL-6を強く発現しSOCS3を誘導することが明らかとなった。また、786-O株はIFNのみならずTRATL弐も耐性であった。そこでIL-6受容体抗体を投与することでTRAIL感受性を誘導できるか試みた。その結果、IL-6受容体抗体を投与しSOCS3誘導を抑制することが可能で有り、TRAIL感受性が回復した。しかしACHN株に比較した場合、感受性は十分とはいえなかった。またTRAIL感受性にSOCS3の関与が考えられるためSOCS3発現プラスミドを作成した。pCI-neoにSOCS3遺伝子配列を組み込んだ。腎癌細胞にトランスフェクションしたところSOCS3発現は数千倍強く強制発現させることができた。現在SOCS3分子とTRAIL受容体分子の蛋白レベルでのインターラクションを解析中である。 また、これらの研究の過程で、腎癌細胞はIFNのみならず分子標的薬による処理でもIL-6を誘導していることが示唆された。IL-6シグナルの活性化も解析したところAkt-mTOR経路が活性化しており、薬剤耐性化の機序となっている可能性が考えられた。現在腎癌と薬剤抵抗性についても解析中であるが、薬剤抵抗性の克服にIL-6受容体抗体が有用である可能性が考えられる。
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