2013 Fiscal Year Research-status Report
FDG PET/CTを活用した腎細胞癌の血液マーカー・新規治療法開発のための研究
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25462494
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中井川 昇 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (00237207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00260787)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 進行性腎癌 / FDG PET/CT / 血液マーカー / 予後予測マーカー |
Research Abstract |
私達は従来の血液検査、CT画像診断では困難な腎細胞癌の分子標的薬に対する抵抗性の予測とリアルタイムでの抗腫瘍効果の判定がFDG PET/CTを用いてグルコースの癌組織への集積を定量的に評価することで可能になることを明らかにしてきました。そこで、FDG PET/CTによって評価した腎癌患者の血液、手術検体を解析し、①分子標的薬による抗腫瘍効果と分子標的に対する抵抗性の有無を診断できる血液バイオマーカーを同定し、実臨床において血液検査によって簡便、低コストに分子標的薬の抗腫瘍効果を診断・予測する方法を確立するとともに、②抵抗性獲得を誘導する蛋白を同定し、抵抗性獲得メカニズムを標的とした新たな治療法を開発することで進行性腎細胞癌患者の治療成績の向上に繋げたいと考えています。平成25年度はFDG PET/CTにて血管新生阻害剤による治療をモニタリングしている5症例の血液を用いたプロテオミクス解析の結果からFDG PET/CTでの評価と相関する数種類の血中蛋白を新規血液マーカーの候補とし、進行性腎癌患者さん20症例の血液に対して血中濃度をELISA法を用いて測定し、さらに100症例の進行性腎癌患者の手術摘出標本を用いて組織内の発現をRT-PCRを用いて測定した。また、FDGの集積と相関する腎癌組織内の蛋白を同定するために、術前にFDG PET/CTにて評価した5症例の手術検体を用いてプロテオミクス解析の結果から想定されたマーカー候補となりうる数種の蛋白の発現を免疫染色法によって測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り数種の血液マーカー候補および組織マーカーを数種類同定した。 進行性腎癌患者20症例の血液検体を対象としたELISA法による解析と、100症例の組織検体を対象にしたRT-PCRの解析を行ない血液マーカーの検証を進めている。 更にFDG PET/CTで評価した5症例の組織検体を対象とした免疫染色による解析を行ない組織マーカーの検証を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)血液バイオマーカーの同定:プロテオミクス解析の結果で血液バイオマーカーとなりうる候補蛋白の抗体を作成もしくは購入、再現性の高い測定法(ELISA法等)を確立します。また、協力施設にて、同意を得た進行性腎癌患者を対象にFDG PET/CT施行に合わせ採血を行い、バイオマーカーとしての有用性を比較、検討します。 2)新規治療標的の同定:現在行っている血液・組織の解析、海外、国内のデータバンクを参考にし血管新生阻害剤に対する抵抗性と関連すると想定される蛋白を数種類絞り込み、SiRNAを用いて腎癌細胞における候補蛋白の発現をtransientに抑制した状態で低酸素状態で培養、再度プロテオミクス解析などを利用して腎癌細胞の反応を観察し、血管新生阻害剤投与下で腎細胞癌が生存、増殖するために必須な蛋白を絞り込みます。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画していた試薬類が安価に購入できたためと旅費費用が安価であったため次年度へ繰り越しが生じた。 血液バイオマーカーとなりうる候補蛋白の抗体を作成費用もしくは購入費用、血管新生阻害剤に対する抵抗性と関連すると想定される蛋白を数種類絞り込み、SiRNAを用いて腎癌細胞における候補蛋白のプロテオミクス解析費用に使用。
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