2013 Fiscal Year Research-status Report
腎細胞癌に対する新規治療標的としてのAKT3-HIF1α経路の解明と薬剤の開発
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25462495
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
近藤 慶一 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 准教授 (80363836)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / AKT3 / HIF1α |
Research Abstract |
(1)周囲環境によるHIF1αの発現量変化が転写制御によるものなのか、分解制御によるものなのかを明らかに するために、周囲環境の操作によりHIF1α発現量を変化させた細胞から抽出したmRNAを用いてリアルタ イムPCRによりHIF1αのmRNAの変化を測定しました。(転写制御の可能性の検討) (2)AKT3 pathway上で直接的にHIF1αを制御している蛋白を明らかにするために、周囲環境の操作でH IF1α発現量を変化させた細胞の抽出液と、AKT3やその下流蛋白に対する抗体やGST融合蛋白を用いて免疫沈降を 行いました。現在免疫沈降によって得られた結合蛋白の同定を試みています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度に以下の実験を予定を早めて行うことができました AKT3 pathwayによるHIF1αの発現制御が腎細胞癌の増殖・浸潤能与える影響について、腎細胞癌 株を用いてこの蛋白の強制発現株とsh-RNAベクターを用いた発現抑制株を樹立します。樹立した細胞株の増殖能 と浸潤能について、まず細胞培養ディシュ上でそれぞれXTTアッセイとMatrigel invasionアッセイを行って測定 しました。 一方で以下の実験はプロモーター領域を組み込んだVectorの作成にて間取り、まだ施行できていません。 HIF1αのプロモーター領域を組み込んだHisタグ付きのベクターを作製して、周囲環境 の操作でHIF1α発現量を変化させた細胞の抽出液とmixし、ニッケル担体で精製をかけてプロモーター領域への 結合蛋白を選別します。(プロモーター領域との結合実験) 予定とは若干異なるペース配分になってはいますが、おおむね順調に進展しているものと考えられました。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)樹立した細胞株をヌードマウスへ移植し、増殖・浸潤能 や血管新生への影響を、腫瘍径の測定と免疫染色を併用した病理組織学的検討、及び採血でのサイトカインやそ の他の増殖因子の測定により検出します。 (2)この経路がHIF1α以外の標的をもつ可能性を検出するために強制発現株と発現抑制株および元 の細胞株からmRNAを抽出し、マイクロアレイ法を用いてどの遺伝子の発現に影響を与えているのかを網羅的に検 出します。選別された遺伝子についてはリアルタイムPCRによる検証を行います。 (3)この蛋白がAKT経路の 下流にあるmTORC1 のみならずmTORC2複合体の構成に必須かどうか、抗mTOR抗体を用いた共沈降実験で蛋白結合 の強度を測定します
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
進行状況で述べたように、プロモーター結合実験を進めることができず、またリアルタイムPCR実験と免疫沈降実験及び発現を変化させた細胞の樹立は他の実験で使用している消耗品がたまたま使用できたため、予定していた費用がわずかに残っている形になりました。 今年度にプロモーター結合実験を再度試みるのでその分の費用が必要になります。また予算に余裕が有れば、作成したXenograftへのAKTもしくはHIF阻害作用を持つ薬物の投与実験を行う予定です。
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Research Products
(1 results)