2015 Fiscal Year Annual Research Report
抗RANKL抗体結合ナノ粒子を用いた前立腺がん骨転移に対する選択的温熱治療の開発
Project/Area Number |
25462496
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
永田 大介 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20336689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 憲康 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20254279)
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30381867)
惠谷 俊紀 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30600754)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
内木 拓 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50551272)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前立腺癌骨転移 / 温熱治療 / 抗体結合磁性微粒子 / RANKL / 経静脈注入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、私たちが開発してきたサブミクロン単位の正電荷リポソーム包埋型磁性ナノ粒子(Magnetic Cationic Liposome:MCL)を発熱体とする深在性がんの温熱治療を、前立腺癌骨転移治療に応用するための基礎研究である。そのためには経静脈的にMCLを投与し、選択的に骨転移巣へ到達させることが必要である。また骨転移成立の鍵として前立腺がんの転移の中でも、骨転移の増悪のカギとなるRANKL (nuclear factor kappa-B ligand) に着目した。本研究では抗RANKL抗体を結合したMCLを経静脈投与し、磁場照射によって選択的に骨転移巣の増殖抑制できるかを動物モデルを用いて検証することを最終目標とした。 MCLはリポソームで被覆された磁性微粒子(magnetic nano-particle:MNP)で、抗RANKL抗体を結合するナノ粒子を被覆するものはリポソームではなくポリマーである。本研究では最終的にポリマーとしてポリ(ビニルピロリドン-co-メタクリル酸)ナトリウム塩(P(VP-co-MA))を用いた。以後本研究で用いた抗RANKL抗体を結合した磁性微粒子を「抗体結合MNP」と表記する。 In vivoでは骨浸潤巣に「抗体結合MNP」が集積するかを検討した。ラット前立腺癌細胞の脊椎骨周囲浸潤モデルラットの尾静脈から磁性ナノ粒子を50μl注入。病理組織標本で「抗体結合MNP」の分布を評価したが結果としては骨浸潤巣に「抗体結合MNP」は認めなかった。一般に薬剤の開発においてシャーレの中の細胞に対して作用が認められたとしても、細胞そのものとは比べものにならない複雑なシステムである生体においては、薬効が認められないことは希ではない。In vivoでの骨浸潤巣への「抗体結合MNP」の集積に関しては、本研究期間終了後も引き続き研究を続けていきたい。
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Research Products
(1 results)