2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25462505
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橘田 岳也 北海道大学, 大学病院, 講師 (40374441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 貴彦 山梨大学, 総合研究部, 講師 (90421966) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 排尿反射 / 脳 / 神経伝達物質 / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々のグループは、以前より上位中枢(脳)における排尿反射のメカニズムを検討している。すでに、ヒトにおいて機能的MRI・PET等で排尿障害のある患者では脳内の特定部位に異常があることは確認されているが、その詳細なメカニズムは不明であった。 ヒトの脳内の神経薬理学的変化に対する直接的な確認は不可能のため我々は動物実験を行っている。昨年度までに、排尿に反射に伴って、排尿の上位中枢の一つである前頭前野において、セロトニンが排尿コントロールに関与していることを初めて示すことに成功している。この結果の確認のために、前頭前野におけるセロトニン濃度を上昇させることで排尿反射が変化することを確認した。更にセロトニンはサブタイプが豊富に存在するため、どのサブタイプが重要であるかを検討するために、各種の拮抗薬を局所に直接投与することで、サブタイプ別の作用メカニズムを解明した。 結果として、セロトニンはセロトニン2A受容体及びセロトニン7受容体では全く相反する反応を来していることが確認された。これは、生体内において、排尿反射の亢進と抑制という相反するメカニズムが内包することによって過度のドライブがかからないような安全弁の一つ考えることも可能である。 現在は頻尿を来す疾患として、臨床的に最も多い膀胱炎をmimicするモデルを作成して、頻尿を来している状態における、前頭前野の神経伝達物質の変化についての確認を行っている。さらに、先のセロトニンの選択的な拮抗薬を投与することによって、頻尿が治療可能かどうかを確認している。さらに、セロトニンのサブタイプをノックアウトしたトランスジェニックマウスによる検討を予定している。今後得られていく結果は最終的には創薬への糸口となりうると信じている。
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