2015 Fiscal Year Annual Research Report
外尿道括約筋筋膜欠損モデルを用いた細胞シート移植による尿失禁治療の検討
Project/Area Number |
25462508
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
加藤 晴朗 信州大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (90233808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 哲也 信州大学, 医学部, 特任講師 (00467143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 尿失禁 / 外尿道括約筋筋膜 / 骨髄由来細胞 / 脂肪由来細胞 / 細胞シート / ウサギ |
Outline of Annual Research Achievements |
泌尿器外科領域において、尿道括約筋が損傷し、機能不全が生じた重度の尿失禁に対しては、人工括約筋埋め込み術が試みられる。また、臨床研究の段階ではあるが、脂肪由来幹細胞注入療法も進められている。両治療とも有望ではあるが、人工括約筋埋め込み術は侵襲が大きく、細胞療法は、試験段階ではあるが、1日パットテストで300g以上の重度の尿失禁に対しては好成績が得られにくい。これらの問題を解決するための尿道括約筋の再建手術、あるいは、再生医療は、患者の生活の質を確実に向上させることが期待される。 本研究は、尿禁制の回復における解剖学的な外尿道括約筋筋膜の機能的役割を検討した。また、Tissue Engineering技術を応用した外尿道括約筋筋膜を模倣する骨髄、あるいは、脂肪由来細胞の細胞シートを作製して、尿道括約筋の再生、尿禁制の回復について検討した。 ウサギを用いて、尿道括約筋筋膜を含むと考えられる尿道組織に熱傷を与え、尿道括約筋筋膜欠損様尿失禁モデルを作製した。続いて、傷害部位に、骨髄、あるいは、脂肪由来細胞で作製した細胞シートをパッチ移植した。移植1週間後、LPP測定を行ったところ、骨髄由来細胞シート群と脂肪由来脂肪シート群では、偽手術の対照群と比較して高い傾向を示したが、3群間での有意な差を認めることができなかった。一方、組織学的解析により移植部位における、細胞シートを構成している、骨髄由来細胞、脂肪由来細胞の生着が認められた。本年度の研究では、尿道再生は、細胞移植による再生なのか、自然治癒によっての回復なのかを明らかにできなかった。本研究を踏まえ、新規の尿失禁治療の開発に向けて、さらに研究を進めていく予定である。
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Remarks |
連載コラム:図脳を極める Corre Pon Urology 2015、No.1-2、リレーエッセイ時間の風景:仕事としての泌尿器科医.Medical Tribune vol.48, 49 2015年12月3日
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